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きもの情報誌『月刊アレコレ』編集長のきものと締め切りの日々。

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文化の盗用(cultural appropriation)の境界線

「文化の盗用」という考え方

 

昨年、米国の高校生がプロム(卒業パーティ)で

着たチャイナドレス姿をSNSでアップしたら、

中国系米国人が「僕の文化はあなたのプロムドレスではない」とコメント。

そこからあっという間に拡散、大炎上した。

 

 

理由は、cultural appropriation(文化の盗用)である。

日本より海外で用いられることが多い。

ある国の文化や民族の特徴を、

その歴史やルーツを知らずに表面だけで、

ときにおもしろおかしく取り上げることである。

当該国の人以上に、他国人も批判することが多い。

 

それでMBLインディアンズのインディアンの

顔のマークも今年から取りやめる。

 

数年前、ケイティ・ペリーの日本公演で、

日本贔屓の彼女が着たきもの風コスチュームに対して

「失礼だ」と、米国のほうから批判が上がった。

日本人としてはシンパシィを感じむしろ好感を

持った人も多かったようなのに。

 

私的にはそれより2016年パリコレの

トム・ブラウンのメンズのほうが驚愕だった。

白塗りで日本髪っぽいヘアに下駄。

一言で言えば小梅太夫的な…。

しかしトム・ブラウンは大の日本贔屓なのだ。

「文化の盗用」は賛否が分かれることが多く、

とても解釈と境界線が難しい概念だ。

今後は物まねも要注意?

ガガはじめ、NYのセレブたちがきものを

コートのように着ることがあるけど、これはセーフ…よね?

 

==================

 

上記は、実は月刊アレコレでの「アレコレ通信」という

小さなコラムで編集人miyazaが書いたものです。

 

 

 

 

通常、有料で購入してもらっている

本誌コンテンツを広報以外で出すことはないのですが、

ここ数日の「アリアナ・グランデの日本語問題」が

(……というものの、その「問題」が何か、が問題なのですが……)

まさに、コラムで取り上げた

「文化の盗用」としてやり玉にあげられています。

 


この問題の批判の対象になる人は3タイプだと私は思っていて、

  • 明らかに好意を示さないため(≒悪意)の言動
  • まったく無頓着(≒当該案件に無知であった)で他意はなかった
  • その国や文化が好き、またはかっこいいと思った

 

1は論外。

2に関しては「知らなかった」で済まされる場合と、

済まされない場合があると私は考えていて。

 

社会的に影響力の大きな会社や人物、

またメディアに露出する仕事をしている人達は、

その恩恵を受けている分、

影響力にも気をつけなければならないということは、

周知だと思います。

 

昨年かな?◯ウンタウンのハマちゃんが

お笑い番組の中でアフリカ系人種の扮装をして

かなり物議を醸したことを記憶にないでしょうか。

 

これを相方のまっちゃんが「なんで批判されなあかんの?」

「別に馬鹿にしてやったわけじゃない」みたいなことを言っていて、

さらに「じゃあ舞台で外国物を日本人が扮装してやるのはどうなの?」と。

 

私的にはハマちゃんの扮装も含めて

これに関してはちょっと違うと思っていて……

まあ長くなるのでここは割愛しますが…。

 

 

そして3。ここが、難しい。

アリアナ・グランデは3だけれど、

明らかに影響力の大きい有名人。

日本語の先生に相談すればよかったのに……とは思うけれど、

 

でもこの件で今度はアリアナが

「もう4年間続けてきた日本語の勉強をやめる」と

宣言しています。

Twitterにアップしていた日本語のグッズや、

日本語が書かれたTシャツを着た写真なども

すべて削除したとツイートしています。

まさに「大好きだった日本よ、さようなら」

といった感じでしょうか。

 

(画像は「frontrow」から https://front-row.jp/_ct/17248998

 

 

なぜ、ここでこの話題を取り上げたかといえば、

きものや和はすでに先進国においては

インターナショナルになっていて、

世界規模で共通の情報として挙がることが

多くなってきているからです

(映画の中に垣間見る日本文化は、

セレブや富裕層たちのステータスや

インテリジェンスを示す“アイテム”として用いられることが多い)。

 

海外からみれば、日本文化における精神論や様式美、

そのエキゾチックさも魅力の一つなので、

真正面からみた日本文化だけではなく、

外国人特有の視点で「多面体な日本文化」が

発信されることが多い。うれしいことではありますが、

今回のようなことが増えてくるかなと思っています。

 

 

コラムで書いたケイティ・ペリーのときも

似たような案件ではあったと思います。

 

「日本が好き」という気持ちを表現したつもりなのに

批判にさらされた。

とてもむずかしい問題を孕んでいますが、

言えるのは「悪気はなかった」と、

何も考えずに異国文化を扱う(ハマちゃんはこれかなと)のは

すごくナーバスな問題に振れる、

そして触れる可能性が高い、ということです。

 

 

パワハラ、セクハラと同様、相手がそう感じれば、

cultural appropriation(文化の盗用)という時代。

 

自国を好きでいてくれる人」に対して

その国の人が好感を持つのは自然なのですが……

その境界線が難しいこともあって、いまは一網打尽、

すべて情状酌量なく叩かれることが多いような気がします。

 

 

 

日本人にはちょっとなじまない点もあるような気がしますけど、

「人それぞれの正義がある」(byドラゲナイ ナツカシイ)のでね、とは思います。

2019.02.10 Sunday 13:57comments(0)↑ページの先頭へ

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