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きもの情報誌『月刊アレコレ』編集長のきものと締め切りの日々。

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「謎のきもの=お宝きもの」のハナシ

6月になります。とっくに単衣を着ていますが、
今日はお宝きもの。今季初です。なぜ、お宝か?
それはですね。。。。いくらでも語りたいのですが、かたると譲ってくれた友人がくやしがるので(笑)、
前にアップした記事を再投稿します。

これを着ていると、ちょっときものに詳しい人は必ず、
「(素材は)これ、なーに?」 と聞かれます。

このきものを着たときは聞いて欲しくてウズウズしてますので(笑)、
聞いた人はここぞとばかり餌食になります(笑)。
でもいまでも、素材は分かったけど産地がわからない。
誰か、わかる方がいたらおしえてくださいませ。
というわけで、以下、以前の『謎のきもの、謎解きブログ」です。

==================

 

何が謎か――それは、このきものの素材です。

先に結論を言えば、これの素材が何かは解明いたしました。

でも、昔あって、いまはない素材、織り、技法のものは、それが何か判別できない時があります。

素材は、絹、ウール、木綿、麻、化繊くらいはわかるでしょ、と、思いますよね!? 

チッチッ( ̄▽ ̄)b これが違うんだなあw

それさえもわからないことがあります。

 

その主な理由は、かつては交織が多く、何と何の素材の交織なのかがわからないとか、

また、今はない織りの技術で、現代のある程度決まりきっている素材や織り方や染色法からすれば、“〜らしくない”織物が少なくないのです。

つまり、紬らしくないとか、絹らしくないとか、木綿らしくないとか、麻らしくないとか――。

     

      

このきものも、その“〜らしくない”素材でした。

とてもお世話になっているきもの好きな友人が、寸法が合わないのでと、送ってくれました。

「でも素材がはっきりしないのよね〜」

「手触りがつるっとしていて、化繊かなあ〜とも最初思ったけど、着心地は悪くないの」

「意外に光沢もあるけど、衿裏が木綿だから、絹ではないのよね、絹交織かなあ」

「麻か、麻混かもしれない」

「“三越”ってタグが縫い付けられているの」

 

      

とすれば。

まず、三越でわざわざポリを仕立てるとは思いにくい。化繊説、却下。

絹? に、三越が木綿の衿裏を付けるわけがない。

麻? だとしたら、絽の衿裏になるよね。

麻混とか。

 

もう一度、件の生地を見ると。

着ていて静電気は起きないし、通気性はいい。

シボが立っていて、さらりとした着心地。かなり撚りの強い糸で織ってあると思われる。

光沢と落ち感がある。

シボと、光沢と、ちょっと解せないけど木綿の衿裏ということで、麻説が有力となったところへ、素材に詳しい女将に見てもらう機会がありました。

 

      

「これ、木綿だよ」 !!! も、も、もめん??

 

でも、そうすると全てつじつまが合う。

「着心地が悪くない」

「通気性もいい」

「衿裏が木綿」

なるほどーーーーー。

でも、でも、いまこんな木綿って見たことないし、そもそもこんなに撚りの強い糸を使った、シボの立った木綿てあるの?というくらいの謎の木綿です。

織り出した柄も凝っているし。しかも、木綿と思えない光沢と落ち感、

強撚糸(を使っているからだと思いますが)だから、落ち感があるのです。膝が出ない。

 

その女将が言うには、「昔の久留米絣がこんな感じなのよね、いまは殆んどないけど」

「私もたまたま、最近、そういう久留米を見たことがあって、だからこれも木綿ってわかったの」

 

なるほどー。で、結論が木綿、だったのです。

 

きものって、なまじ伝統がある産業だけに、品質表示や縫製・洗濯表示なんて、つけろとも言われない(昨今は一部では必要だとの声もありますが)。

アパレルでは考えられないことです。だって法規制があるのですから。

きものって、何もない。何もわからない。

“本場”の証紙などが残っていればまだしも、リサイクルやお祖母ちゃんが残してくれた昔のものは何がなんだか、分からない。

でも、ちょっとしたことを手がかりに、つまり、衿の裏の生地だとか、三越のタグだとか、着心地だとか、手触りだとか、五感を頼りに解明されたときは、記憶喪失だった恋人の記憶がやっと戻ったみたいな(笑)気分です。

冬のソナタか、花より男子の世界です(笑)←かなり古い(^_^;)

 

というわけで、素材が解明されたきものを、気持よく単衣の季節に着ています。

ただ素材がはっきりしたというだけで、どこの産地の、何織りなのかもわからないままです。

でも、当時(多分戦後まもなくくらい?)、太物をデパートに頼むことって、あまりないことのような気がします。

太物屋(木綿、ウール、麻などは巻くと絹より太くなるから)という、絹物を扱う呉服屋とは一線を画した呼び方をしていました。

それが三越で購入して三越で仕立てた。フンフン♪  

もらったけど、もしや、すごいお宝ではないかと密かに思っています♪

因みに、「木綿だよ」とあっさり解明してくれた女将は、満点スリップの気仙沼たかはしの女将です^^

 

 

 

2015.05.31 Sunday 12:52comments(0)↑ページの先頭へ

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