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きもの情報誌『月刊アレコレ』編集長のきものと締め切りの日々。

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良い仕立ては、しなやかな筋肉なのです

和裁士さんが「現代名工

づくり日本大賞を受賞されました。

そのかたは、加藤和裁学院加藤静子校長。

 

 

日本名工は全国で様々な分野から150

中から、「づくり日本大賞

各省庁推薦で24のみで、

内閣総理大臣及び厚生労働大臣表彰で

和裁士として仕事

そしてそ技術が認められたとい

ほんとに素晴らしいW受賞!です。

画期的です


 

月刊アレコレでは

着付けとコーディネート情報に特色がありますが

同じよに仕立てについても深く考えています

 

月刊アレコレは「きものの未来塾」という、

仕立てと悉皆を柱としたプロのための勉強会に参画しています。

昨年は一般のかたを対象とした講座も開催しました。

塾長は、たかはしきもの工房の高橋和江さん。

今年も一般の方を対象とした講座を開催予定です。

(今年の日程はまだ未定です)
これは本当に価値のある講座。

 

……ということで、月刊アレコレ編集人の

着る立場での仕立ての考え方です。

 

海外縫製が悪いとか

ミシン併用が悪いとかいいません

何を第一条件に仕立てメニューを

選ぶかはそれぞれです

 

2万円反物を、ちょっとお安い海外縫製で頼む

清水から飛び降りてお嫁に迎えたきも

国内手縫いで上手な人に縫ってもら

……とい、状況で選べばいいと思います


 

しかしきもののために着る本人ために

そして和裁とい技術を残し研鑽するためにも

選ぶ基準が価格だけではいけないと思っています


 

確かに現在一番わかりやすい基準は価格だと思います

仕立て良し悪しを知ることで選択する基準が増えます

仕立ての「良し悪し」の基準はいろいろありますが、

わかりやす要素としては、

確かに手縫いはミシン仕立てより

あきらかに着やすいです

 

 

その、着やすさなかには

「寸法」が第一に挙げられます。
寸法があっていることを前提にお話をすると、

その中に、体が疲れにくいとい要素が入ってきます

 

どういうことか――?

これは、私が感じる理由です。

 

手縫いは「布目を分断せず」、

かつ、「動きに伴う柔軟性がある」からだと思っています。

 

きものは平面的な一枚の布ですが、

着付けで凹凸のある身体に合わせていきます。

まっすぐ落ちる布、斜めに体を包む布、

それぞれが収まる位置に運ばれます。

 

手を動かしたり、座ったり、

しゃがんだり、立ったり……

体の動きにあわせて布も動きます。

というか、動いてくれるんです。

 

それが可能なのは手縫いの和裁という技術だからです。

体と一緒に動こうとする、“布の動き”を

遮ることがないのです。

もちろん、手縫いでなくても布は動きます。

しかし、「自然に添ってくれる」か、

引っぱり気味についてくるか……ということです。

これは寸法があわない(小さい)ものでも

感じるストレスですよね。

 

ミシン目は、ガチッと布目をせき止めて、

体の動きにそって布が動くのを遮るのです。

 

いってみれば、手縫いの和裁という技術は

 

 

  「しなやかで伸びやかな筋肉」

 

 

と一緒なのです。

ここ、大事なことです。

良い仕立ては、しなやかな筋肉なのです。

 

筋肉が固いと、体の動きに制限が出てきますよね。

例えて言えば、そういうことなのです。

 

そしてもう一つ、よく知られるのは、

和裁は「布を守り、糸のほうが切れる」。

どこかに袂を引っ掛けた時、

または、椅子に座ってお尻に負荷がかかったとき、

糸が切れることで布を守るのです。

つまり、負荷を糸が吸収するのです。

 

ガッツリと細かい目で縫われているミシン目は強いので、

負荷をはねつけます

結局、負荷や衝撃を糸ではなく

布のほうが受けて裂けてしまうのです。

手縫いでも細かすぎる縫い目だと同様のことが起こりえます。

なので、「良い仕立て」は手縫いであっても、

目が細かくて見た目にきれいなことが
 

必ずしも「良い」とはいえないのです。

 

 

和裁だから、何度でも洗い張り仕立て直しが可能なのです。

ミシンで仕立てたものは解くのも大変ですが、

そもそも穴が空いてしまうので、小さい寸法にしか直せません。

少なくとも正絹は手縫いが原則だと思っています。

 

ミシン縫いにまったくメリットがないとはいいません。

先に言ったとおり、

何を優先して仕立てを選ぶのか、です。

 

また、同じ手縫いでも着やすいものと

着ていてストレスを感じるものがあります。

こちらは、手縫い・ミシン仕立て以上の

より専門的な視点での

「良い仕立て」「悪い仕立て」の違いがあります。

 

ここではふれませんが、この差を私たちが知ること、

実感することが大事なのだと思っています。

 

そのためには、「お任せ」にしないことです。

オートクチュールなのですから。

 

だからこそ、いま仕立て職人のかたが、

着目されることは大きな意味があります。

月刊アレコレでは、編集人の持論である

「良い仕立ては、しなやかな筋肉」を

年内に仕立て特集でもっと詳しく

取り上げる予定です。

 

 

ちょっと余談です。(と言いながら長い寄り道です(^_^;) )

私はパジャマが大好きでして(笑)、

もちろん寝ることがシアワセと

いうことでもあるのですが(笑)、

パジャマに着替えると、

体がリラックスするのがわかるからです。

 

これはパジャマであればいい、

リラックスできるという、

気分的なことではありません。

 

同じパジャマでも、体がリラックスできないものがあります。

相性や好みで違いはあると思いますが、

私の場合は、

 

体を自由に泳がせる許容があること。

 

でも、大きいのがいいわけではなく、

サイズ感があっていること。

 

布の肌触りがいいこと。

 

その条件のなかで、可能な限りリーズナブルであること。

 

 

上記の条件をクリアしているのが、

私の場合、↓「無印良品」の綿100%のネル生地のSサイズです。

 

IMG_3039.JPG

 

 

気持ちが良すぎて、この年末に、まったく同じものと、

チェック柄のものを新調しました。

 

このパジャマは背中に縫い目がありません。

最近、夏のレースの羽織で広幅の生地を使った、

背縫いのない羽織があります。

では、これが着やすいかというと、

私は(ですよ)、全然着やすくありません。
背縫いがないと、ストンと肩におさまらないのです。

布が自分の行き場所に迷っているような

動きになると感じています。

 

ですが、パジャマ(洋服)は

基本、立体裁断でパターン(型紙)があり、

袖付け脇縫いがあることで、

それぞれの布がパーツで独立しています。

すでに布の居場所が確保されている、

といえばいいでしょうか。

 

そして、安い。

私は体が薄いのでSサイズで十分。

Sサイズがそろっているところは少ないから貴重です。

若い頃のように、メンズの大きめを着て

カワイイアピールはもう無用(笑)。

オバちゃんは体にラクで

やさしいパジャマがいいのです(力説)(笑)。

爆睡タイプなので睡眠の悩みはありませんが、

眠りに悩みがある方は、布団や枕とともに、

パジャマ、寝間着にもこだわると思います。

 

パジャマは余談ではあるのですが、
縫製、素材による違いが実感できるところです。

同じようにきものも、仕立てで大きな違いがあります。

確かに“着付け”のスキルも影響しますが、

それは二の次で、まずは寸法があっていること、

そして「良い仕立て」であることが重要です。

 

専門的な分野もありますが、

着較べると、誂であっても着やすいきものと、

そうでないきものがあることに気づきます。

その違いを、今後の特集「良い仕立ては、しなやかな筋肉」で、

取り上げたいと思っています。

秋くらいかなあ、準備が整うのは。

乞うご期待!

 

 

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2018.02.10 Saturday 23:39comments(0)↑ページの先頭へ

和裁士さんの悩みのほんとうの意味。

仕立てイメージ 

先週。

編集部に和裁士さんから電話がありました。

「月刊アレコレで【暖簾の向こう〜】を連載しているひつじやさんに質問があるのですが・・・・」

さて和裁士さんが質問したいその内容とは――、

お客様でお茶をなさる方がいます。
正座が多いのでどうしても背縫いに力がかかって糸が引っ張られるので、
縫い線がヨレヨレに波打った感じになってしまいます。
ふくよかな方ではありますが・・・・どうにかならないかと相談を受けたのですが、
これといった解決策をみつけられなくて・・・・・。
月刊アレコレを見たときに、連載しているひつじや店主がとてもお詳しそうなので、
なにかヒントを得られればと思いました。

もちろんひつじや店主は多忙の中、僕は縫い子さんではないけれどと、
前置きをしながらも丁寧に答えくれました。  その状態を「ヘバレ」というそうです。

結論としては袷ではそれ以上の手立てが難しく、後ろ幅寸法に余裕を見るくらい。
単衣ならば補強をするということで、
  背伏布 → 共布 → 居敷あて → 大居敷あて
右にいくほど補強の度合いが強くなるけれど、
背縫いを二度縫う方法や、細かく縫う方法は布を裂いてしまうので、お勧めしないとのこと。
ひつじやでは大概は、広幅羽二重の大居敷あてをつけるとのことでした。
その付ける範囲は好みによって調整するそうで、細かな点もアドバイスしてくれました。

上記をその和裁士さんに戻したのですが・・・・・
お話しているうちに今どきの仕立て事情が浮き彫りになってきました。

まずひとつは仕立てる側の傾向。

最近、後ろ姿をシュッと細く見せるために
   【後ろ幅を小さめに仕立てる】方が少なくないとのこと。
背縫いが中心から動かないようにしたいのだそうです。
初めて聞きましたというと、「結構いるんです」
「それがふくよかな方だと、どうしても背縫いにストレスがかかってしまうのです」  
当然でしょうね。

どうやら、件のお茶の方もそのお1人のよう。・・・・それは、なおさら問題^^;
でもそのお客様に広くしたほうがいいと、伝えられないと。

その伝えられない詳細を聞くと、どうやら伝えられないのは呉服屋さんの担当者のよう。
  言いにくいのか・・・・・  それがどういうことか認識できていないのか・・・・・

・・・・・という話からが、第二の本題です。(長くてすみません)

直のお客様にはきちんと必要な寸法を採寸して、必要な情報を得ることができるけれども、
お店からの下請けでは担当者からの情報しかありません。
情報が少なくてとても悩んでしまうことがあるというところから、

 担当者にこれこれ、こういう情報も取っていただけますかと、頼めないのですか?

そこで「あること」が見えてきたのは、どうやら担当者が「寸法」のことや「仕立て」をお客にアドバイスするほど、和裁士に注文をつけるほど、知識がないのではないかということ。
だから和裁士さんが必要とする寸法の意味が分からない。採寸できない。聞けない・・・。

誤解を招かないように先に言っておくと、多くの女将さんがいるような呉服屋さんはそういうことはありません。
ひつじやさんのように、その店の仕立てのノウハウを持って、和裁士さんにきちんと伝えています。

しかし、何店舗も持っているような大手の店頭の担当者は(もちろんすべてとは言いませんが)、例えば

  「胸囲を測るときも、下着をつけたままのいちばん高い、バストトップを採寸するんです」

それが何が問題かというと、大概きもののときは胸を平らにするための和装ブラ。
「上げて、寄せて、高さを出して、谷間を作る」洋装ブラとは決定的に違います。
その寸法で仕立てると、抱き幅が余分になり、余計なシワやたるみの元になります。

「でもバストサイズといったら、普通バストトップでしょう?」というらしい。
そうではなく「胸囲」を図ってほしいんですよね・・・と縫い子さん。
つまり、身幅と抱き幅の関係とか、裄の長さと身幅の関係とか、そして裄が長くて身幅が細い場合、その差をどこで吸収しているのかとか、そういう仕立ての基本をわかっていないから、必要な情報や、その人なりの寸法の問題を汲取れないということなのだと、みえてきました。

ヘバレに戻すと、通常よりふくよかな方が、通常より後ろ身頃を狭くして正座し続けるリスクや、
さらには腰紐の位置が低ければなおさら、そのひっぱられるストレスを吸収する範囲が狭いわけで、そのあたりの着方との関連もその担当者は思い浮かばない・・・・のでしょうねー。

大きなため息をつきながら
「やっぱりそのお客様には後ろ幅に少し余裕をとったほうがいいですよと伝えていただくしかないですよね」

問題は、背縫いの「ヘバレ」より、その決まりきった解決策を伝えられない担当者じゃないかと、20分という長電話のなかで感じたわけです。

ご清聴ありがとうございます(笑)。


2011.05.09 Monday 11:39comments(7)↑ページの先頭へ

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