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編集長ブログ

きもの情報誌『月刊アレコレ』編集長のきものと締め切りの日々。

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襦袢が袖口からでるときの応急処置

今日はちょっと裏技……といいますか、

きものを着付け終わったら……

あら?? 襦袢の袖が出てしまう〜( ;∀;) 

というときの応急処置をご紹介。

 

そこまで推奨するわけではありませんが、

いまさら着替えなんてできないというときに。

 

襦袢ときものの素材の違いで

“添い”が悪いときがあります。

“添い”とは、例えば、

かたい紬と、柔らかものの襦袢では、

柔らかものの襦袢のほうが落ち感があるので、

両方マイサイズで誂えたものなのに、

紬(や木綿きもの)の袖から勢い余って出てしまう、

というような場合。

 

IMG_7957.JPG

 

なので、「普段着や紬は裄を短め」というセオリーは

いま通用しません。

むしろ、襦袢を使いまわすことを考えると、

長めくらいでなければ何かと不便なのです。

 

で、本題です。

多いのは、安全ピンで留めるというものだと思います。

私は、安全ピンを使うこともありますが、

袖口を両面テープでくっつけてしまうという技?というか、

ごまかしというか(笑)。

 

IMG_7966.JPG

 

 

 

ええおべべのときは、

両面テープは注意してくださいませ。

あまり粘着力が強いものは避けるか、

一度、手拭などほかの布地に貼って
粘着力を弱めてから使ってください。

自己責任でね(笑)。

そしてなるべく早めにとってくださいね。

 

385保多織.jpg

 

 

きものは保多織(ほたおり・ぼたおり)の無地。

保多織は四国高松を産地とする

木綿織物。打ち込みが緩いので、

見た目はざっくりした風合いですが、通気性があり、

秋冬(真冬以外)は空気をはらむので温かさがあり、

下着や羽織などで調節すれば

11月いっぱいは十分着られます。

 

打ち込みの甘い分、多少膝やお尻が抜けますが、

それは保多織に限らず、麻や綿織物の特性です。

 

帯はゼブラ風綿紬の八寸。

帯締はリバーシブルで使える三分紐カンタービレ

普通サイズの方なら、帯留がなくても

普通の帯締としても使えます。

後ろの帯のなかでひねって結べば、

水引き(紅白の水引のように、左右色の違う仕様)に。

 

普通の三分紐では短くて使えないという方には、

長尺三分紐としてお使いいただけますよ。

これはかなり感謝されております(笑)。

 

日本橋 龍工房にお願いした

月刊アレコレオリジナル。

頼りなさそうな三分紐ですが、

こちらはがっつり、しっかり締まります。

重い帯でも大丈夫です。

お試しください。

 

月刊アレコレは書店では取り扱っておりません。

年間講読のお申込みはこちらから。

 

2016.10.07 Friday 20:10comments(0)↑ページの先頭へ

「実験・正絹襦袢お家洗い」のまとめ (または はじめに)

 

さて、最後の最後に今回の「正絹襦袢お家洗い」をまとめてみます。

 

コレを読んでくださった皆さんは、やはり、襦袢を自分で洗えたら……と思ってご覧になっていると思います。なので、この最後のまとめも(または、はじめに)必ず読んでいただきたい。

 

それと普段から行なっているやり方、手順というわけではありません。

なのでタイトルに「実験」をつけました。

 

結論として正絹襦袢はお家洗いができるか――できるとも、できないとも言えません。

やっぱり襦袢の種類や状態、また洗う人の知識や経験などの違いを考慮すると、一括りにはできません。

 

はっきりしない、逃げみたいな結論で申し訳ないのですが、今回のトライは、あくまで実験です。

個人的には、モノによってはできるかも、というのが今回の実験からの感想です。

ただ、まだ推奨まではいきません。繰り返して経験を積み、ノウハウが確立されればできるかもしれませんが。
実は以前も決行しているのです、ワタシ。帯までーー; でもまだまだ推奨なんてできるレベルではないです〜)

それと、袷の襦袢はまだ乾いていないので、まだ完全に実験終了というわけではありません。
こちら追記でご報告していきます。下記コメントでもいただいた「絹の艶」問題もありますので、諸々チェックを重ねますね。

 

「正絹襦袢お家洗いー1」でもお伝えしているとおり、いただきものの古い襦袢。手入れにコストをかけられるアイテムではなかったことから、実験という意味合いもあり、縮緬なども一気に試してみました。

普段からこの手順で「正絹襦袢お家洗い」をしているわけではありません。でも誂えた縮緬襦袢を誰かが洗うというなら、私、多分とめます。

でも、きもの歴が長く、素材の特徴も十分わかっている人が、古いものだから試してみると言えば、とめません。

 

で、初めての場合、以下の条件で自己責任で行うならOkだと思います。

1)何か想定外の事象や事故が起きても諦められるアイテム。

2)実験・経験的にトライしてみようという動機。

3)ある程度のきもの歴と、着用頻度の実績があり、きもの周りの知識がある。

 

以下の場合はNGです。

1)上記1)の反対。つまり何かあったら泣くような大切なアイテム。

2)高価なもの。

3)袷、縮緬など扱いが難しい生地、刺繍など特殊加工が施しているもの

 

最後にこの「実験・正絹襦袢お家洗い」に関する、ご意見や感想、アドバイスをTwitterFacebookやコメントでもいただいているので、まとめて紹介しておきます。
すごく参考になります!

そして着る人が作るきものの本、『月刊アレコレ』はまさに
こんな実験をする人・着る人が制作している本です(逆にとんでもないのかもww)
お申込みはこちらから。 

【某呉服店店主】

餅は餅屋に任せなよ・・・時間の無駄!
それよりも『お針』をしっかりネ!!! (→これはお針が超苦手なみやざへの苦言ww)


【じざいや店主】

正絹襦袢も仕立て前に水を通して洗える糸で仕立てる 自宅洗い仕立てもあります。でもどうしても艶はなくなりますねぇ。でも下着だし気持ちよく着るためには自宅で洗えるとうれしいですよね。(→知らなかった! 自宅洗い用仕立てがあるなんて!)


【満点スリップたか
はし女将】

確実に縮みますけど、問題はプレスです。プレスが良ければ、縮み幅は袖幅で1センチですかね〜。乾かさずにプレスするといいんですよ。乾いてしまったら生地が動きませんから。(→今回、それ痛感しました。プレス、大事です!)


【満点スリップたか
はし女将】

生地、固くなりませんでした?日光に当てると質感がさらに悪くなるので(色も焼けるし)やめたほうがいいです。それから最後にちょいとリンスすると洗剤がなんであっても風合いを保てます(^^) (→あ、そうですね。これも大事)


【着る人】

色落ちと破れに気を付ければ、結構大丈夫ですよね?!私、当たり前のように洗ってますが・・・(^^;; “ (→洗っている人、いるもんですww)


【着る人】

ブログ拝読しました。洗うと恐ろしく臭いが立つんですよね。 私は、酷く汚れてそうなのはナノックス、普段自分が着てるのはエマールです。以前オークションで入手した袷は 縮み上等凸(−_−)とばかりに漬けおき2回くらいして、それでも茶色の水が出ました。臭かったぁ!(→やっぱ、いるんですね、袷をトライする強者もww)


【着る人】

縮まないですか〜? 以前縮緬っぽい襦袢を洗ったら幅が縮んで袖幅が3cmくらい縮んだことあって、怖くて正絹は洗えないんですよ。何度も洗張りしているものなら大丈夫なのかな?(→知識があるほど、お家洗いへの躊躇はあるかもしれませんね〜)


【着る人】

こうしてみたら平織りだとほとんど横の縮みはないんですねー。でも、自分で水洗いしてスッキリさせたいと思いつつも、長着の何倍も贅沢してる襦袢を手洗いする勇気はちょっと出ないのですわ; 色移りや色の滲みはどうだったですか?(→高価なものはやめたほうがいいです
ね。同じ襦袢の中での色移りはないですね)

 

2012.01.08 Sunday 08:18comments(4)↑ページの先頭へ

実験・正絹襦袢をお家洗い―3 プレス編

 

プレスに関しての記事はこちらの縮緬を先にします。



まずは見事な縮み様。下になっている赤襦袢は2番目に洗った広幅の襦袢。

袖幅約33cm。緑の縮緬が、がっつり縮んで約28.5cm。同じ人の襦袢です。
もちろん、洗う前は33cm。辛子色の唐辛子襦袢は、ちょっとずれて置いてありますが、
みやざのマイサイズ襦袢。お母様寸法はほぼ同じくらいです。

 


 

さて、乾かないうちにプレスです。

生地は横に伸縮、また縫い目がない端ほど縮むようです。
いわゆる押さえがない状態ってやつですね。
後ろ身頃に比べるとやはり袖の縮み方が多かった。

 

中温ノンスチームでプレスしました。
生地がかなり濡れている状態でアイロンをかけています。

引っ張るとよく伸びますが、地の目が狂うので(すでに十分狂ってはいるのでしょうが(汗 )

一箇所だけを引っ張るのではなく、なるべく広く全体的に引っ張りながら、プレス。


ピザ生地って作ったことありますか? 綿棒でのしていくと端っこの一部だけが、
薄く伸びてしまったりします。コマッタ半島と呼んでいますw

 

そんな風になりかねないので、スタッフの手も借りながら、
押さえ、引っ張り、伸ばしでアイロンをかけていきます。


 

プレス後の袖と、プレス前の袖。ビフォーアフターです(笑)。
袖幅33cmくらいに戻しています。

緑の色が濃いほうはまだ濡れているから。

こちらも同じようにプレスしていきます。

縮緬が非常に時間がかかりました。約40分くらいかなあ。


 

 

そして身頃も。縫い目は引っ張らないようにして、縫い目の内側を押さえて身頃中間あたりを伸ばし気味にプレス。

 

両脇が縫い留められている後ろ身頃は、袖ほど縮んでいません。

両脇縫いで固定(引っ張られているから)されているから、中間あたりが縮むようです。

でも、ノンスチームが正解なのか、どうかはわかりません。
あくまで素人の自己流です。また、かなり濡れた状態でプレスしたからですが、
今回はあて布もしませんでした。
地を整えるのにあて布があるとスムースにアイロンで生地を移動させることができないからですが、
果たしてこれも正解かどうかはわからない・・・・・のですが、


 

そして、プレスが終わったら、縫い目や衿の厚みの湿気を飛ばすように。

再びハンガーへかけて干します。

襦袢のお家洗いは、個人的はできそうな気がしています。
ただ、あくまで自己責任で、ということになるのですが。
(生地・仕立て・強度、そして洗い方や手順の微妙な違いもあるから)


悉皆が本業である満点スリップの 気仙沼たかはしの女将・高橋さんは
縮みは必ずあるけど、洗った時、大事なのは「プレス」とおっしゃっていました。

私もそう思います。洗いは、今回は3枚はネットを使わずに洗いましたが、
木綿や麻の単衣きものを洗うように、ネットを使って、畳んで
丁寧に手洗いすれば、そして適正な時間で脱水をして、段取り良く生乾きさせて、
乾き切らないうちにプレスをする――袷でない襦袢なら正絹でも大丈夫・・・かな。

 

2012.01.07 Saturday 18:46comments(2)↑ページの先頭へ

実験・正絹襦袢のお家洗い―2 ジャブジャブ編

さて、再集合、できたかな(笑)。
続き、ガツガツ行きます。

ステージはいよいよジャブジャブです(笑)。

浴槽に低温のぬるま湯を張り、普通の洗濯洗剤を少なめに投入。融かします。

なぜおしゃれ着洗い、たとえばアクロンとかエマールじゃないのか?

はい、良い質問ですww 実は以前、腕のいい悉皆屋さんを取材したときに、洗剤の話を聞いたら、汚れを落とすならやっぱり普通の洗剤のほうがいいとおっしゃっていたのです。
(推進しているのではなく、あくまで経験からの感想です)

お洒落着洗いはあまり汚れが落ちないらしい。
そもそもすごく汚れたものを対象としていないしね。

 

で、今回は――。匂いも含め、汚れ難度スーパーウルトラC級と判断して

アリエールを使ってみました。これはみやざの自己責任で行う判断です。




水につけたら……変な言い方ですが、中にこもっていた物の怪がフワーと押し出されるように、急に樟脳の匂いが強く立ってきました。濡らすと匂いって強くなります。

それから押し洗い。みるみる洗濯水が赤くなってきました。このあたりは想定内。

susugi

すすぎ1回目。











すすぎは3回しました。こちらは3回目。それでも水につけている間は色落ちがします。

洗濯機へ運び、畳んで40秒くらいかな、脱水。ハンガーにかけて外へ干しました。

2番目の広幅襦袢もほぼ同じくらいの色落ちで、段取りも1番目の3色ぼかしの襦袢とほぼ一緒ですが。こちらのほうの生地がしっかりしていたので安心でした。



3番目は曲者の縮緬。前の2回よりもっと低温のゆるま湯。

洗剤は同じアリエールを使いました。こちらはもちろん揉んだりしないで軽く押し洗い。

でも浴槽の水の濁り具合からみても、かなりの汚れていたようです。色落ちはなし。



やはり3回すすいで、畳んで40秒くらい脱水。
結構「濡れている状態」で、こちらもハンガー。




最後は曲者2の袷の襦袢。袷がNGの理由は伸縮率の違う生地だと、
どちらかがより縮んで袋状になるのがいちばんの懸念。



さて……大胆不敵で恐れを知らない素人は考えた。

生地と生地の間を膨らませないようにしよう。

つまり間に水が入って重さの負荷がかからないようにすること=生地が“遊ばない”ようにする=2枚の生地を縫い目ともしっかり保護する…と考えたわけです。

あくまでも恐れを知らない素人の「試してガッテン」シリーズです。w




で、きくちいまさん推奨の、いまさんから送っていただいたメンズのスーツパンツ用洗濯ネット。通称くるくるザブザブ。
畳んでコレに入れて、ある程度生地が固定するようにして手洗い。

すすぎ、脱水までこの状態。



干すときは重力の負荷がかからないよう、平置きです。

 

単衣のきものもこのネットで洗うと便利。
先の襦袢も最初からこのネットを使ってもよかったのですが、何しろ匂いがネック。

濡らすと匂いが強くなるので、それをまた閉じ込めておくのもどうかと、
今回はしっかり広げて洗いました。

でも、
自分の正絹の襦袢で試すなら、やっぱりネットに入れて手洗いします。



さて、今日は風が強かったので、外へ干した時間は20分くらいでしょうか。

濡れているうちに急いでアイロンをかけなくっちゃ。
特に、縮緬襦袢。急げーーε=ε=ε=ε=(; ̄◇ ̄)


さて、「正絹襦袢お家洗い」、次は最後の仕上げ、プレスです。
ではまたまた休憩(笑)。次も30分後ね。はう〜。

2012.01.07 Saturday 17:10comments(0)↑ページの先頭へ

実験・正絹襦袢のお家洗い―1 襦袢の種類

 























襦袢です。大胆にもお家洗いをしようとしています。

 

いつもお家洗いをしているわけではありません。

この襦袢は知人の亡くなったお母様のもの。

きものが大好きで箪笥3棹もあったきもの。

 

その中にあったこれらは、多分お母様が大分若い頃のものと思われます。

茶色のシミもあり、経年独特の匂いも強く、そのまま着るのは無理そうな襦袢たち。

でも柄もカワイイし、捨てるには忍びないので、ほかのきものと一緒にいただいてきました。

きものは即戦力としてしっかり和―ドローブになっていますが、

この襦袢はコストをかけて手入れをするにはさすがにちょっと……

 

というわけで、襦袢のお家洗いは前々から試してみたかったこともあり、

実験的に一気に4枚(ホントはまだあるww)、お家洗いにトライ!してみました。

すべて正絹。



1)まずはこちら。歌舞伎の衣裳のような3色のぼかしの襦袢。

でも大分生地が薄くなっていて、元の生地自体もそれほどしっかりした生地ではなかったようです。色落ちがしそうな第一候補です。




2)次はこれ。これはちょっと不思議な生地で、背縫いがありません。

つまり広幅なのです。柄は絞り風プリント。でも正絹で、居敷当てもきちんとつけてあります。

柄から見てもきもの以外で流用できそうな感じはしないのですが、当時の(多分5060年くらい前)コストダウンの試みだったのでしょうか?

これも色落ちが心配。




3)次の襦袢、これが曲者。何がって、縮緬なのです(!)

ラメっぽい銀糸も織り込まれていて、柄から見てもどうも元はきもの地だったのではないかと想像しています。だから襦袢にしては厚手です。

さて、縮緬を洗ったらどうなるか。火を見るより明らか、縮みます。

が、今回は「試してガッテン!」シリーズ(笑)なので、洗います!




4)最後はこれ。これもまた、何者だ。曲者だという襦袢でございます。

これ、袷なのです。基本、素人が袷に手を出すのはご法度(笑)。

でもこちらもまた縮緬同様、素人なりに考えながらトライします。


まずはこの4種類。すんごい長いのでちょっと休憩とりましょう。
得意の一旦、解散w。30分後に再集合(笑)集合時間に遅れないように。

2012.01.07 Saturday 14:53comments(0)↑ページの先頭へ

夏襦袢は麻と夏用シルック。

夏襦袢着物暦は、完全な夏。
着物は透ける薄物、
帯、半衿、帯揚も紗、絽や麻などの夏素材になります。
もちろん、襦袢も。
みやざ的に、ですネ、この暑さに着る夏の着物、薄物は別格、です。
それゆえ死んでも暑さを顔に出してはならぬので(笑)、涼しげに、優雅に。


普段、フラッペみたいな冷たいんだか甘いんだか分からないみやざの辛口も(笑)、
夏は南極の氷壁の如くバシッと決める、聞いたら瞬間冷凍するくらいの冷たさを……、
ん? イエ、つまり何のハナシかとゆーと、それくらい相手が涼しさを感じるように拵えよ、とゆーことを言いたいワケでして…長っ!(爆)

結論言います(笑)。襦袢は麻(上)、夏用シルック(中)に加えて、
画像にありませんが綿ローンの筒袖レース襦袢の3枚を使いまわします――コレだけかいって、そんな氷壁のような冷たい言い方、しないでネ(爆)。

右角に写っている絽の襦袢は普段は着ません。
祝儀不祝儀、そして超フォーマルなときだけですね、最近は。


2008.07.05 Saturday 00:41comments(4)↑ページの先頭へ

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