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編集長ブログ

きもの情報誌『月刊アレコレ』編集長のきものと締め切りの日々。

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プラチナチケット握り締め、歌舞伎座へ。

歌舞伎看板歌舞伎座8月の納涼歌舞伎に行って参りました。
月刊アレコレで連載中の「みそひともじ」筆者、酒井あつ子女史が必死で、ネットでの争奪戦を勝ち抜けてGETした貴重なチケットです。
なにしろ即座に完売ですから入手が難しいのです。

ところが酒井女史、急遽、予期せぬ成り行きとなってこの日の観劇を断念。

泣き泣き3枚をみやざに譲ってくれたといういわく付きの、
みやざ的超プラチナチケットです(笑)。

今日は「裏表先代萩」。
「伽羅先代萩」の仁木弾正や政岡、八汐が顔を揃える従来の物語を表に、小悪党・小助の話を裏にして同時進行する先代萩です。
「先代萩」はすごく久しぶりです。
鶴千代君の毒見をした政岡の幼い息子をその目の前で手にかける、
憎々しく非道な八汐の役は、その非道さゆえ、
女形ではなく立ち役が演ずることが常とされています。

今回は扇雀。立ち・女形両方演る役者ではありますが、
その昔、仁左衛門が珍しくもこの八汐で女形をしたことがあります。
180cm近い仁左衛門が鬘を被って演ると、190cm近い大女になります。
ホント、極悪非道なヒールの女子プロレスみたいな憎々しさがありました(笑)。

見所はやはり何役も演ずる勘三郎の役変わりと演じ分けです。
フムフム、相変わらず鼻につくくらい“上手い”んですけどねー。(笑)
ま、ま、語るとまだまだエンドレスですが、
明日の昼の部も控えております。楽しみ〜。

2007.08.17 Friday 23:09comments(2)↑ページの先頭へ

ところで、歌舞伎座で勘三郎、玉三郎をば・・・・。


キモノトークの翌日、21日の日曜日、「みそひともじ」の桔梗、酒井さんとともに歌舞伎座の一幕観劇で、芝翫、梅玉、幸四郎らの「勧進帳」と、勘三郎、玉三郎の舞踊劇「喜撰」をば見てまいりました。

久々に観る玉三郎。美しすぎるーーーーー!!!
舞台では顔がデカければデカいほど舞台映えがするといわれる。
でも玉さんは、背が高いのも、顔が小さいのも、女形としてはマイナスになっていない。身体としぐさから表情が匂うのよー(感涙)。

その昔、幸四郎や早世した先代・辰之助の「オセロー」で観たデスデモーナの美しさそのままですわー。

歌舞伎きものは変わり市松の小紋にローケツ染めっぽい名古屋、帯締は太目の丸ぐけ、ペタコさんの半衿をあわせてみました。
この日ねー……ちょっと“足元”が悪かったけど、ま、楽しめたのでよかったです。(天気の話ではないです…)

2007.01.23 Tuesday 18:30comments(5)↑ページの先頭へ

舞台の着付けさんって、すごい!

Pict4622 プロの技ってゆーのはスゴイもんです。

昨日、明治座で初日を迎えた、三田佳子さんの「最愛のひと」を観に行った。料亭の女将の物語。

衣装を担当したホリヒロシさんも見えていた。きものもすごいけど、言いたいのは着付けの技。動く「きものサロン」です。



Pict4617 この例えに賛否はあるかもしれないけれど、要は正面、横、後ろ姿、全方位的「きものサロン」なのよ〜。

歌舞伎もそうだけれ衣装は舞台の楽しみのひとつ。
でも歌舞伎の衣装に関しては自分たちにとって現実的じゃない分、そのすごさをしみじみと実感することは、まあ、あまりない。


←片岡球子画緞帳





でも、昨日、座る、立つ、歩く、横になる・・・・なのに、なぜあそこまでシワがないの〜、ラインが崩れないの〜。
みやざの顔も着付けて欲しいくらいです。


もちろん、シワひとつないきもの姿は私たちが目指すところではないけれど、あれは明らかに「プロの技」です。

先週、表参道にきものびとが集ったときに「着付け」の話題が出た。
で、「きものの中身」を見てみたいという意見。
自分が着るようになると、いろいろ自分なりのお悩みが出てくるわけです。人のを見て「なぜ胸元があんなにきれいなの?」とか「肩にシワが出ないの?」と、興味津々なんですね。で、使う肌着類や着付け方、補正などが気になる、知りたいということです。


わかる、わかる。みやざえもんも日々、体型の問題も含めて葛藤の日々です。やっぱそれなりに目指す「カッコ良さ」があるワケです。
人によっては気にならない、自然のままでいいんじゃない〜という人もいます。そうなんだよね、それも着方、楽しみ方。でも俗なみやざは日々、煩悩を抱えているわけです(笑)。


因みにみやざが目指すカッコ良さは「ユルかっこいい」です。森田空美さんはみやざ的にはNG(って、おい〜)。決まり過ぎているから。
一瞬カッコいいんだけれど、ふと見ると、半衿に芯を入れてないユルさがあるとか、ウソっぽい帯留がくっついているとか・・・。


帯もどこか真剣さに欠ける、マイペースなやつを思わせるそんな帯(どんな帯だ?)のユルさが好きです・・・・・って、わかんないよね(笑)。

2006.11.04 Saturday 17:14comments(7)↑ページの先頭へ

お〜、吉右衛門!

Kichiemon 昨日、NHKに吉右衛門が出ていました。
彼は母方の祖父であり、義父でもある初代を継いだ2代目。

初代・吉右衛門の娘は高麗屋(松本幸四郎)家に嫁いだので、自分の名跡を継ぐ跡取りがいなかったわけです。他家へ嫁いだ娘は、男の子を「必ず2人、産む」と宣言して、1人は実家の父の名を継がせようと当初から決めていたといいます。



長男(染五郎→現・幸四郎)は当たり前に高麗屋を継いだのですが、次男・吉右衛門は4才にして「お前は祖父のところへ(養子に)いって、吉右衛門を継ぐ」のだと言われて、家族から1人離されて、祖父のところへ養子に出されたのです。

吉右衛門は若い頃から非常に達者で、口跡もよく、実力は、兄・幸四郎以上でしたが、その兄と比して、どこかに屈折したところが感じられると、よく言われていました。兄は華があるが、吉右衛門は地味だとも。でも、みやざは昔から幸四郎より、吉右衛門が好きでした。

「鬼平犯科帖」は池波正太郎ファンに人気だったかもしれないけど、いまや「中村吉右衛門の鬼平ファン」に支えられているような気がします。吉右衛門演じる鬼平の厳しさと、しみわたるような、しかしすっきりとした情は、その昔ワルだった頃の「鉄っつぁん」が下敷きになっているように、実生活の吉右衛門の人生も投影されているんだろうな。

娘4人で、結局男児には恵まれなかった吉右衛門。しかし彼は、娘の連れ合い、その子どもに「吉右衛門」を求めてはいないようです。それはともかく、役者として、好きだな〜、吉右衛門.


2006.07.22 Saturday 16:11comments(9)↑ページの先頭へ

パイレーツ オブ カリビアン

パイレーツオブ カリビアン

船長(キャップテン)ジャック スパロー、銀座マリオン9Fで再会して参りました。

POC「デッドマンズ チェスト」より1作目の「呪われた海賊たち」のほうが完結性、完成度があります。しかし、続編、続々編を一緒に撮ったということでもわかるように、これは続編だけでの評価ではなく、続々編も含めて完結と見なければならないのでしょうね。

でも相変わらずジャックは、素敵に変。誉めてるって(笑)。写真はPOCバケツのポプコーンとドリンクのセット。¥600 そりゃあ、買うサ(笑)。

2006.07.18 Tuesday 09:39comments(7)↑ページの先頭へ

紬で歌舞伎、吉右衛門。

Pict2215

大好きサ、吉右衛門(笑)。

新橋演舞場へ行って参りました。お目当ては大好きな中村吉右衛門。久しぶりです。

吉右衛門をご存じない向きは、あの鬼平といえばわかるでしょうか。みやざえもんはお兄さんの松本幸四郎より、吉右衛門の方が昔から好きです。今回夜の部は「石川五右衛門」「京鹿子娘道成寺」「松竹梅湯島掛額」。兄・幸四郎といえば、その息子・染五郎も出ています。叔父・甥の共演ということで、「松竹梅〜」では、そのあたりをネタにしたアドリブ風ジョークもありで―(笑)、特にこの演目は軽めの作品です。五右衛門はつづら抜けが見どころ。でも、やっぱり昼の「夏祭浪花鑑」が観たいなぁ。

Pict2219

歌舞伎きものは、紬の訪問着。

帯は縮緬手書きの名古屋。この帯はみやざえもんが持っている帯の中では結構いいものなのですが、ぱっつり切って作り帯にしています。

理由は長すぎる、柄の出方の問題等、いろいろあるのですが、「好きな帯だから」たくさん締めたくて、といったところです。作り帯はこれと夏帯の2本、持っています。



Tukeobi 作り帯だっていいのダ。

よくきものを着始めたばかりの友人にもいいます。――着たい。でも着られない。だったら好きなきものと帯をコーディネイトしてワンセット作って、その帯を作り帯にしちゃいなさいよって。(切る作り方、切らない作り方いろいろですが) そうしたら、週末、明日、急に気が向いたとしても「好きなワンセット」があればすぐ着られるし、着たい気分も満足できます。どうでもいい、もったいなくない帯を作ったって、しょせん使わないんだから。着る機会が増えれば、ほかのきものだってコーディネイトする余裕がでてくるし、手結びにもトライしてみる気にもなるってもんです。

サンゴの化石帯留、経費¥700なり。

帯留はサンゴの化石の標本に、帯留金具をつけた手作り。虫喰いのシミがご愛嬌。化石の標本だから同じものはなく、色や柄がきれいなものを選びます。もう1コ完璧にきれいなのもありましたが、それはきくちいまさんに贈呈しました(笑)。模様がお花みたいでしょ。

Kasekiobidomeomote Kasekiobidomeura ←サンゴ化石の標本帯留・表と裏。虫食いがご愛嬌。

箸置帯留より、厚みがなくて良いヨ。

あ、これら東急ハンズで購入できます。

2006.05.19 Friday 02:04comments(20)↑ページの先頭へ

コクーン歌舞伎、東海道四谷怪談。

さて、桔梗の批評を待って、みやざえもんもちと語りましょう。桔梗と一緒に観たコクーン歌舞伎。おもしろかったです。従来の歌舞伎歌舞伎した印象からは、コクーンの舞台の作りともあいまって、かなり今風の味付けであると思います。それでいて、勘三郎の芝居は肝をはずさない堂々たるものでした。

ここで、みやざえもん風の批評・・・というか、感想をいれれば、実は昔から勘三郎はもう一つ好きになれない役者でした。ハナにつく、といえばわかるでしょうか。これは歌舞伎で言うところの、みやざのニンにハマらないという感じなので、好みといえばそれまでです。上手い役者が上手さを語るに過ぎるというか、「さっぱり」とを100回繰り返すことで胸焼けするクドさとでもいいますか。勘三郎の役者としての上手さとは別次元での感想です。

演出は串田さんですが、最後の水場を使う場面とか、紙吹雪の場面なども蜷川幸雄の「近松心中物語」での印象をそれぞれ越えないのです。別物であるとも思いながら、「芝居」に対する純粋な感動や驚きをもってすれば、今回の評価はコクーンという場所で、従来の歌舞伎ファン層以外の芝居好きを取り込んだところに、勘三郎の手腕があったと思います。小屋の使い方が最高に上手い。つい先ごろ同じコクーンで野田秀樹の「贋作 罪と罰」を観たばかりですが、舞台の印象も目の前に現れた世界もがまるで違いました。芝居の醍醐味だと思います。

ついつい辛口になってしまいましたが、芝居としては大成功でしょう。みやざもアンコールの拍手を手が痛くなるほどにしました。もう一つ、歌舞伎座での勘三郎の「東海道〜」は観ていないのですが、実はかなり前に亡くなった歌右衛門のお岩を観たことがあります。伊右衛門は海老蔵、現団十郎です。あのときのは薬を飲むまでの所作が長くて、当時のみやざには「引っ張りすぎ」とも思えましたが、今となってみれば、芝居も観る側の成熟度で(というほど、堅苦しいものではありませんが)印象が変わるものなのだなと、今回のお岩を観ながら思ったのでした。

桔梗、次もまた親戚を葬って(笑)仕事をサボり、一緒に観に行こうね。

2006.03.24 Friday 21:05comments(6)↑ページの先頭へ

舞台衣裳の力。

200603022244000.jpgnara

lionking



   































劇団四季劇場・春 で公演中の「ライオンキング」を観てきました。四季劇場の杮落としで「ライオンキング」がかかったのは8年前。それ以来のロングランです。観たかったのですが、なかなか機会がなかったので、やっとです。

浅利慶太の好き嫌いはあると思います。曰く「すごいも何も海外で当たった公演だけをかけている」「四季のオリジナルはない」「金にあかして制作している」等々。ま、今回はそこは置いておきます。(因みに最近は四季オリジナルもかかっています。)

舞台衣装の力のすごさです。役者はもちろんですが、通常、人(役)の個性や性格は内面にあるものです。それを演ずることによってどれだけ際立たせることができるかが、役者としての真価でしょう。しかし、しかし、その手立てとしての衣裳は、実は半端なくものすごい、それこそ役割を担っている。

ライオンキングに関して言えば衣裳はある意味、小道具とクロスするところがあるかもしれない。しかし、役をシンボライズするデザインのユニークでいて、美しいことは、それだけでも観る価値があるというもの。写真は購入したプログラムを撮ったものですが、写っているサイ、キリンなどもすべて人が”着て”いるのです。

かつて「美女と野獣」を見たときはその衣裳の豪華さに、まさに四季だからできるのだと、半分辟易しながら思ったものでしたが(でもおもしろかったけど)、あれは背景としてはお城で、誰もがある程度もっているイメージを、虫眼鏡で光りを集める実験のように、一点に凝縮したことで濃厚なエキスとして観客に味わわせることができたといえる舞台でした。料理で言えば最高のフォワグラのステーキにトリュフをトッピングしたような。(食べたことないけど・笑)いえ、それはそれでプロの味なのです。もちろん。

ただ、ライオンキングはそもそも人間が演ずる「動物」という素材があるわけです。(キャッツもそうですが) 鮮度の高い素材はそれだけで美味しいとはいうけれど、本当のプロは下ごしらえに充分な手間ひまをかけてなおかつ、何事も施さなかったように皿にのせるものです。ライオンキングの衣裳は、動物そのものを具現化すればよいわけではない。演じるのはどうしたって二足歩行の人間なのだから。動物としての特性を特化させたうえで、演ずる人間の美しさをも伝えるものでなければならないのです。

もっともライオンキングの場合はものすごくかかっているであろう手間が、明らかに素材の裏側に見えましたが。(笑) 衣裳を制作する人たちの頭の中を覗いてみたいと思った、帰り道でした。

2006.03.02 Thursday 22:53comments(6)↑ページの先頭へ

プルーフ・オブ・マイライフ

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雨の中、映画友達と行ってきました。
元の脚本は舞台のために書かれたもので、日本では2001年に寺島しのぶが主演して
各賞を受賞してます。
主演のグウィネス・パルトロウは舞台でも主演しており、「恋におちたシェイクスピア」でベン・アフレックの恋人役を演じた男装の姫、と言えばわかるかな? 天才数学者で精神を病んでいる父を、アンソニー・ホプキンス。娘の彼女もその血を継いだ天才肌。 ラッセル・クロゥの「Life is Beautiful」という実在の数学者の映画を見た人は、感覚わかるかも・・・・。


原タイトル、PROOFとは、証明の意。かつて誰も成し得なかった難解な数式を奇跡的に証明したのは、父か娘か。さらにはその証明の意味が多層的に全編を通して提示されます。

地味だけど、いい映画です。人は自分自身を生きることで、証明しているのだと思わされます。

さ、みやざも証明しなきゃ。映画はサボリじゃなく、仕事の肥やしとしてるんだって。(笑)

2006.02.01 Wednesday 16:38comments(4)↑ページの先頭へ

「きもので歌舞伎」の人が多かったデス。

PICT0425 歌舞伎「児雷也」、行ってきました。出来はいまいち。通しですが脚本が中途半端で、ギター侍、「ヒロシです」、アンガールズらのギャグで安易な笑いをとる意味がわからない。また、序幕の仙人の場面も平坦で説明が長すぎ。思わずウトウトして、はっと我に返ったらまだ仙人、しゃべってましたから。(笑) ま、菊之助人気につきるのでしょう。

ところで、場所は東銀座・新橋演舞場。いつになくきもの姿が多かった。きものに良い季節ですもんね。昨今のきものブームを目のあたりに見た気がします。やはり特徴は、半衿、足袋、帯結び(半幅をアレンジ)ですね。他の人のきもの姿を見るのは楽しい! みやざえもんはご覧のコーディネイトでした。ポイントはざっくりした紬にチラリとのぞく赤の襦袢と、ふっくらした刺繍半衿。20年以上前に買った(お前はいくつだ?笑)池田重子さんのオリジナル半衿です。寒い時季を意識したコーディネイトです。キモノビトの皆さん、冬こそ、きものです。月刊アレコレのウェブサイトでは「夏こそきものです」って、ゆってたけど。(笑)


2005.11.21 Monday 10:28comments(3)↑ページの先頭へ

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