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きもの情報誌『月刊アレコレ』編集長のきものと締め切りの日々。

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きものは自由でいいのです

きものにスニーカー履きたければ履けばいいし、

パーカーをInしたかったらすればいいし、

対丈で着たかったら着ればいい、と思います。

 

で、白半衿・白足袋できものを

着るのが好きならそうすればいいし、

お太鼓が好きなら別に

帯でWリボンすることないし、

季節のルール(慣習)も大事と思うなら踏襲すればいいのです。

 

いーじゃん……と思うわけです。

 

私はどちらかというと、

いまは白半衿・白足袋が好きで(若い頃は違った)、

靴はあわせないほうで、

でもKAPUKIさんの革の帯ベルトは欲しいと思っていて、

黒羽織と紋はカッコイイと思うから

エルメスのスカーフを羽裏にした黒羽織には

一つ紋をつけて作って、

まあまあフォーマルじゃないシーンや“普段”にも着ています。

 

それがナニか?

 

でも、フォーマルでは……という言い方がそもそも、

カジュアルと対峙していて好きじゃないのですが、

現代の礼装もしくは正装として捉えられている服装は、

自分のためではなく誰かのために着るという、

「祈り」があるものだと思っているから、

その時代の価値観や美意識に

添うことは大事だと思っています。

 

花嫁衣装でさえ、自分のためではなく、

相手のためであり、自分の家族のためなのだから。

あらたまったシーンにおけるきものは、

現代では“結界”だと思っています。

 

自由に着るカジュアルはステキです。

時代の尺度にそった正装はカッコイイです。

 

正統派やフォーマル志向でさえ
“自由”の範疇なのです。
そうしたければすればいいというだけの話です。
時代のなかで着るものが変わらないって、
ヘンじゃないですか。
変わることを恐れる人々は利害でしかないんじゃないかなあ。
と思うのは、ちょっと過激ですか?

2018.03.24 Saturday 00:39comments(1)↑ページの先頭へ

2018年、新年のご挨拶と、鶴の白生地の誂え染め

2018年、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

戌年。

ということで、誠にもって恐縮ですが、

編集人の愛犬に働いてもらい、

年賀写真撮りをしました。

 

12年に1度くらいは

働いてもらおうということです(笑)。

 

IMG_6748_bのコピー.jpg

 

ご挨拶に着たきものは、

昨年、デッドストックの白生地から

染めた洒落紋付きの無地です。

 

白生地から染める自分のきもの。

無地染めなら、そこまでハードルが高くなく、

自分だけの一枚を作ることができます。

 

参考までに、このきものについてちょっとお話しますね。

 

ちょっといいながら、長めです(笑)。

実はものすごい、あり得ないミスをしたきものなのです。(^_^;)

 

きものは、元は婚礼用の緞子の白生地。

先に説明の通り、デッドストックのものと遭遇しました。

いまはもうない、「聚楽」という会社の、

どっしりした、そして緞子ならではの、

しっとり、ヌメリとしたテクスチャーがあります。

 

地紋が、ウフフフの「鶴」!
鶴です。鶴。 

言葉だけで聞くと、鶴の地紋の白生地。

自分用に染めようとは思いませんよね(笑)。

実際、婚礼用であって、オバちゃんようではありません(笑)。

 

IMG_2264.JPG

 

でも、なんていうのでしょうか。

いまだから、いまだから、

この“鶴”のクラシックさが、

新鮮でおしゃれに感じるのです。

自分で言うのもナンですが(笑)。

 

しかし、自白すると(笑)、

これは怪我の功名というヤツです。

 

実は、手元にあったデッドストックの白生地は

地紋が2種類ありました。

孔雀と、鶴。

 

孔雀は鶴に比べるとかなり大きな柄になります。

前身頃にその孔雀が来るように仕立てたら、

カッコいいだろうなと、迷わず、

選んだのは、孔雀でした。

 

先には、いかにも偉そうに、

クラシックでおしゃれ、と言いましたが、

さすがに“婚礼の鶴”を

即、選ぼうとは思いませんでした、普通です(笑)。

 

そうなんです、ワタクシは

 

“鶴”ではなく、“孔雀”を選んだ!

 

…………………はずだったのに。

 

「では、この色でお願いしますー♪」と、

色を決めて、染め屋さんに白生地を手渡しました。

 

 

そして、仕立て上がってきました。

 

きものが入っている、たとう紙の白さ、真新しさ。いいですねー。

ほんと、この瞬間がワクワクしますよね。

開けて、ごたいめーん! したら、

 

は…………………????(最初、意味がわからず)

 

 

え? え!? え、え、えー!?(状況を分析)

 

 

はあああああああーーーっ!?!?!?(状況を把握)

 

頼んだ白生地、孔雀のつもりが………間違えて鶴を出していた…のです。orz

 

この後は早送りします(笑)。

 

が、びっくりしたのは最初だけで、

すぐに立ち直りました(笑)。

鶴が孔雀に勝利していたのです。ステキな出来だったのです。

ほんとうに。やせ我慢ではなく(笑)。

 

これが、まさに怪我の功名。

孔雀より柄が小さめに(といってもそれなりの大きさです)

入っていた鶴は、緞子の無地染めのなかで、

くっきり浮かんで、とてもとても、

ある意味、斬新とも言える、

エッジが効いた効果が出ていたのです。

 

しかも、細身で小柄はワタクシには、

これくらいの大きさの柄が結果オーライだったという、

正の(負じゃなく)副産物が重なり、

かなり自慢の一枚になったのでした。

 

 

そして、洒落紋は繍い紋。

「月刊アレコレ」のマークの“筆紋”。

筆紋は、載っている紋帳もありますが、

乗っていない紋帳も多い珍しい紋です。

 

8本の筆が放射状に並んだ、

一見、船の舵にも見えるかたちです。

 

IMG_2461.JPG

 

 

筆ということで、=ペン。

紙媒体、編集、メディアのシンボルです。

 

そして、舵にみえるかたちは、

きものの未来へ漕ぎ出す意、

その未来への指針となる意、

が、込められています。

 

 

ちょっと説明が前後しますが、

この無地はKICCA(きものカラーコーディネーター協会)の

周年パーティで着るために誂えたものです。

ワタクシはKICCAの代表理事の能口先生とともに

理事を努めています。

 

なので、セミフォーマル風味を出しつつ、

パーティに合わせて「色」にこだわり、

ありきたりではなく、おしゃれだなと

思える仕上がりにしたかったのです。

 

そのためのポイントが、

  • 洒落紋
  • そして、袂を長めにすることです。

 

きものがまだ普段着で生活着だった戦前までは、

普段着だからこそ、お出かけ着との差を付けていました。

昔の言い方をすると「よそいき」ですね。

 

それぞれの暮らしのレベルなりですが、

絹物、柔らかもの、上質な生地など、素材の違いと、

もう一つは、裄や袂がやや長めというものでした。

袖丈は好みや身長で多少の違いがありますが、

襦袢もよそいき用に合わせて用意しています。

 

しかし、きものを着ることが少なくなった現代では

1枚の襦袢ですべてのきものに合わせられるように、

袖丈を同じにするようになっています。

 

いま標準となっている1尺3寸(約49cm)は

普段着に合わせるというより、よそ行きに合わせての袖丈です。

 

たまに、おばあちゃまの箪笥に入っている、

普段着的な織物(紬や木綿やウール)で、

袂が短か目のもの、ありますよね。

身長の違いもありますが、

普段着だからという理由が大きいと思います。

 

いまは襦袢まで用意することは少なく、

1枚の襦袢で、すべてのきものにあわせられるように、

袂を同じ長さに揃えるようになりました。

 

最近はよそいきというより、背の高いかたが多いので、

バランスがいいように、1尺3寸より長めの袂を

勧められることがあると思います。

 

私も袖丈はすべて1尺3寸です。

小柄なのでもう少し短くてもいいのですが、

襦袢が不便なので揃えています。

 

その代わり、普段着は袖の丸みを大きめにしています。

なぜか? 

袖の丸みに関しては、別の機会にお話したいと思いますが、

この丸みにまた意味があるんです。(^^)

 

 

話を写真のきものの、「袖丈長め」に戻しますと、

フォーマル感というより、ちょっとおめかし感を割増にしたかったので、

袖丈を1尺5寸(約56.7cm)にしました。

 

しかし、問題が。

 

そうです。襦袢です。

そこで、今回はきものに合わせて、八掛けと

 “うそつき袖” を一緒に袖も染めてもらい、

直接きものに取り付けてもらいました。

 

白生地がたっぷりの四丈(よじょう)ものだったので、

八掛けを染めて、かつ長め袖も足りました。

(※四丈(よじょう)もの=共八掛けが取れる要尺。現在は四丈ものとはいっても四丈以上長さがあるものが多い)

 

襦袢は筒袖の半襦袢を着用、下は柄物の裾よけです。

 

アンテイークが好きなかたは、襦袢の袖丈に悩むと思います。

器用なかたなら、ご自分で取り付けることもできそうです。

ワタクシはできませんので、プロに頼みますけど(笑)。

 

こうして、唯一無二の、自分の無地が完成したのです。

 

ところで、袂の長さに年代は関係ないの?

という疑問があるかと思います。

 

長い袂は未婚者の印で、

既婚者は「袖を振る」ことをやめるために、袖を留める。

と言われています。

「揺れる袂」は女心の象徴として捉えられているからです。

袂には魂が入っているんですね。

 

しかし、ここ5〜6年は、大人の振袖を楽しむ人も結構います。

正式な席ではなく、おしゃれや楽しみとして着る振袖です。

着るものがファッションと考えたら、全然問題ないと思っています。

似合うかに合わないかというのは別として(笑)。

袂の長さだけでなく、色柄の問題もありますからね。

 

ワタクシとしては、自分にまあまあいい「長さ」の限界を(笑)、

1尺5寸としたというわけです。

 

最後に。

白生地のデッドストックは掘り出し物があります。

いまでは織れない昭和のいい生地があるからです。

今回の緞子の生地も、ほんとうにしっかりしたいい生地でした。

 

シミやカビが出ていなければ、そして濃いめの色に染めるなら、

そのまま使えることが多いです。

 

薄い色だと、絹特有の黄ばみが出ていると、色に影響がでますから、

お店のかたと相談してください。

 

デメリットは、古いものは反幅が狭いこと。

まあまあ、8割方は大丈夫だと思いますが、

165cm以上のかただと、こちらも相談してくださいね。

 

本日も、新年のごあいさつと言いながら、

長々とした白生地の話になりました。

改めまして、本年もよろしくお願いします。

こんな編集人が作っている月刊アレコレは

書店では売っていません。

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創刊13年目になる月刊アレコレのスローガンは

「袂に知恵と工夫、自分サイズのきものをたのしもう」

着る人が作る雑誌です。

2018.01.02 Tuesday 16:56comments(0)↑ページの先頭へ

コットンウールの着物とキッチンクロスの半衿

今日はしじら織りコットンウールと

ワッフル半衿のお話です。

 

木綿の阿波しじら織は着ているけれど

コットンウールはなかったので、

いつも通りのお試し精神で一昨年作ってみました。

もちろん、自腹。

きもの雑誌の編集者の鏡です(T^T)(←自分でいう

 

385綿ウール.jpg

 

 

羽織は撫松庵。

帯は西村織物の半幅帯。

ピーコックのリバーシブルで使える三分紐は

アレコレオリジナルの「カンタービレ」。

 

さて、

このコットンウール。

去年はそれほど着ませんでした。

2年目です。

着ようと思えば10月くらいから

着られると思いますが、

私は12月に入ってから。

でも1枚では寒いの羽織やストールと合わせて。

11月あたりはこのきものの

ベストシーズンだと思いますが、

上下、防寒具を組みわせて

10〜4月でしょうか。

さて、2年目での感想と評価、

いきなり入ると、

 

いい点

・軽い

・安価(お仕立て付きのところで約25,000円)

・着付けはラク(でもおはしょりがモコモコするので要注意)

・シワになりにくい

 

いまいちな点

・裾捌きはあまりよくない

(特に私は居敷当てに綿を使ったから

 なおさらだと思います。

 木綿やウールなら大体、

 綿か化繊でしょうか)

・落ち感がなく気持ち膝が出る

・ややもっさり感があり太ってみえるかも

 (逆に痩せ気味の人には補整が要らないメリットあり。

  人によります。今日の私は補整はいっさいなし)

・洗濯して多少縮みあり

  →これについては以下で詳細を。

 

縮については、私が購入したところは

「湯通し済」なのでほとんどないということでした。

しかし洗ったあとに居敷きあてが

裾スレスレにきているということは、

居敷きあてが長くなったというのではなく、

表が少し縮んだのかなと思います。

着られますが、動きで居敷きあてが

チラリと見えないか

気になるところではあります。

木綿の阿波しじらとほぼ共通する

メリット・デメリットです。

 

仕立ては購入したネットショップではなく、

別に頼み、大居敷きあてをつけてもらいました。

大居敷きあては綿素材。

 

このきものに限りませんが、

洗う前提の場合、居敷きあての素材も

重要なポイントになります。

収縮率が同じ素材ならいいのですが、

なかなかそれはありません。

また、スベリや肌触りの観点もあります。

 

洗って縮ませた正絹が最適といいますが、

これをしてくれる仕立て屋さんや呉服屋さんは

ごくごく少ないです。

 

しじら織りのコットンウールは

おしゃれとして着るというより、

ほんとうに普段着として着る、

用の気軽な一枚かなと思います。

居酒屋さんに行くときなんかは気兼ねないですね。

木綿と同じ扱いではありますが、

柄が限られているので、

木綿よりおしゃれとしての楽しみは少なめ。

 

 

そして、もうひとつの話題、

今日は半衿です。

この半衿は「切り分けて」7〜8年愛用しています。

切り分けてというのは、

これはキッチンクロスだから。

ほんとうにキッチンクロス用かは

定かでありませんが、

「キッチンクロス」として

切り売りして売られていたから。

ワッフルが大小あって、両方購入。

今日のものはワッフル大きめ。

 

385しじら織り綿ウール のコピー.jpg

 

切り分けてといっても

使い捨てというわけではなく、

コットン100%なので

何回も洗って使えます。

私は横着して切りっぱなしで使っているので

切り口のほつれが目立ってくると

端を切り切りして使っています。

他の半衿同様、衿の汚れが

取れなくなったら替えます。

 

ほっこりしていて冬によく使います。

生成りなので衿元がやさしげに映るのですが、

シャープに、モダンに見せたいときは

合わないかなあ。

 

そして普通より「首がすごくすごーく短いのー」という

自覚があるかたは埋まり加減になるので

大きなワッフルは避けたほうがいいかもしれません。

 

この半衿はいつも「カワイイ」と

話題にされることが多いので、

いままでにも紹介しています。

ここ数年、紹介していなかったので

久しぶりに取り上げてみました。

木綿の端切れを半衿に使うのは今や当たり前。

それらはプリントが多いと思います。

地風や素材感で見てみると、

こちらもおもしろものがありますよ。

 

 

ところで、上の写真で使っている

三分紐カンタービレの紹介です。

三分紐ですが、長尺なので帯留がなくてもOK.

これはほんとうにすぐれもの。

「五通り」使える三分紐なのです!

龍工房に依頼して

製作してもらった、

「月刊アレコレ」オリジナルです。

三分紐と言えど、締めやすい!

締りがいい!重い帯でも大丈夫です!

 

かつ、両面、しっかり使えるデザイン。

……と語り始めるこちらも長くなるので

詳細はショップで(笑)。

 

ぽっちゃりさんで普通の三分紐が

短くて困るという方にもおオススメです。

こちらでお求めいただけます。

(ピーコックは売り切れです。

グレーは残り1点となっております。)

スカイブルーはこちらです。↓

 

 

カンタービレ1.jpg

 

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2016.12.24 Saturday 18:34comments(0)↑ページの先頭へ

紬を染替え!オドロキの出来栄え、Before After!

今日は染替えのお話。

染替えは小紋や無地、付下げなど、

染め物じゃないとできないと思っていませんか?

 

Non non ( ̄▽ ̄)b

紬でもできますのよ、と言うお話。

 

といいますか、紬を染替えましたというお話です。

 

こちら、超若かりし頃、

(日本語的・文法的なツッコミ禁止)

ン十年前に作った紬です。

なぜこんな色柄を作ったかは、

記憶が定かではないのですが、

まあ、紬らしい紬としてそれなりによく着ました。

 

でももう黄土色は肌色がくすんで見えるな〜と

いうお年頃になりまして、

八掛も切れてきたし……というわけで、

八掛を天地返してお直ししようか。

どうしようか……。

 

↓これです、

 

IMG_8251.jpg

 

そうだ、染替えをしよう! そうしよう!

黒だ、黒に染めよう!と思いつつ、

しばらく放置プレイ(6年近く塩漬け…(汗))。

 

この秋、たまたまタイミングがあり、

この紬を洗い張りに出しつつ、

染替えもお願いしました。

 

当初、黒とは思ったのですが、

そもそも格子の柄があるので、

色の濃淡があります。

なので、実は上に色をかけても、

元の色や柄はかなり影響します。

しかも染めより織りのほうが色が堅牢です。

 

それが黒であっても、

“まったく何事もなかったような黒”には、

なりません。

 

そこを専門店や悉皆屋さんと相談しながら、

元の色を考慮しつつ何色にしようか。

何色がいちばん、いい色として仕上がるか、検討します。

これはしっかりした知識と経験を持つお店でないと、

ちょっとむずかしいことです。

でも逆に、そういうお店と出会えたらラッキーです。

 

「真っ黒にしたい?」

「いえ、多少、下の格子が浮き出るくらいでも

おもしろいので、そのあたりの黒のかけ加減は

おまかせします」

 

そして、上がってきました!

 

染替え八掛.JPG

 

 

感涙!

すばらしい! すばらしくいい染め上がりでした。

普通なら、もとの八掛も染替えますが、

今回はだいぶ傷んでいたので、新調。

それも既存の八掛ではなく、

色見本を渡して誂え染めしました!

それが、このハデハデしい(笑)ピーコックグリーン。

 

でもワタシ的にはちゃんと根拠があっての

ピーコックグリーンなのです。

その根拠はー−、

元の黄土色(黄色み)が影響して、

やや緑みのある染め上がりになっていたからです。

 

八卦はあまり目立たないほうがコーディネートは

しやすいというのは確かです。

ここは好みなので、遊ぶか、着回しをとるか、です。

私は遊びたい派。

でも着回しも十分できる地色です。

 

地風もやわらかくなり、

一枚新調したのとまったく変わらない。

お直し、染め直しは高い、

買ったほうがいいという人もいますが、

とーんでもなーい。

 

6〜7万円で、こんな紬、手に入りません。

洗い張り、仕立て直しをしてです。

もとの八掛や胴裏が使えれば、

もっとリーズナブルです。

 

昔のもののほうが生地が良いものが多いので、

トライしてみてください。

これは直接お店へ持ち込んでやり取りすることを

オススメします。

私も紬は初の染替えでした。

元のいろがあるので、

何色にでも希望の色に染められるわけではありませんが、

そこを考えながら、相談しながら決めていく、

もうメチャたのしい時間です♪

 

今日はこれにこの前のブログでも紹介している、

(特集でも紹介している)

しゃれ黒羽織を合わせて。帯は牡丹唐草の型染め九寸。

 

385黒羽織と染替え紬.jpg

 

 

しゃれ黒羽織、これですね。↓

月刊アレコレが提案する

しゃれ黒羽織についてはこちらのブログで!

 

 

 

こちらは帯を八掛の色に合わせて

グリーンの格子の織りの八寸。

 

385染替え紬.jpg

 

このお直し、染替えも、いつか特集にしますね!

(切った自腹は仕事で元をとる主義)

 

 

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2016.12.12 Monday 21:51comments(0)↑ページの先頭へ

大量にきものを洗ったときの裏技

きもの、結構な大物ということもあり、

天気や多忙さとの兼ね合いでついついためてしまうこと、

ありませんか?

 

ないというマメなかたには不要な裏技ですが(笑)、
たまにあるかもというかたのために。
きものの洗濯でちょっと使えるかもな裏技の紹介です。

 

まず先に。

当たり前ですが、枚数を洗うときは天気は

必ず最高に良い日を選んでください。


前にも紹介しましたが月刊アレコレ編集人が

おすすめしている洗濯方法は、

 

ネットに入れて洗って→軽く脱水→

半乾きで取り入れて本だたみ→

バスタオルに挟んで重石(たたんでできる凹凸は

紙や手拭を入れて埋めて平らにしておくとより丁寧)→

半日放置→取り出してきものハンガーにかけて湿気を飛ばす

(詳しくはこちらのブログをご参考ください)

 

IMG_8567.jpg

 

 

IMG_8570.jpg

 

 

 

これはアイロンが嫌いな人(編集人)向き。
たたむのが嫌いな人は半乾きのときにアイロンをかけて、

後、湿気を飛ばすために乾すというやり方があっているようです。

 

 

昨日、編集人、12枚、洗いました!エッヘン!(←いばるとこじゃない)

 

で、正直にいいます。

その中には川越唐桟や保多織とともに、

小千谷縮、綿紅梅、綿麻、セオα、ポリ絹の

夏物も入っております。

 

いえ、8割夏物かも(^_^;)

もう1回くらい着られるかな……と、

そして11月に突入という…いやお天気の関係も…

仕事も多忙で……ゴニョゴニョ……

 

 

ま、その辺の事情はさておき(笑)。

 

ところで「たたむ」ときですが、
「手アイロン」をしっかりかけるひと手間で仕上がりが違います。
半乾きの状態でできるちりめんジワは

手の平で撫でてあげるとかなりキレイにシワがとれます。


この手アイロン、実は普段のたたみでも優秀な“グッズ”です。

 

 

 

IMG_8576.jpg

 

 

↓ちょっと色が違っていてごめんなさい。同じモノです。

川越唐桟。

 

IMG_8577.jpg

 

 

↓これで重石をしておくとキレイになります。

大きなタタミじわは気をつけてくださいね。

 

IMG_8578.jpg

 

 

洗っては干し、半乾きでたたむ、を繰り返すので、

天気がいいとなんとか干し場所は交互に使うことができます。


が、たたんで重石をしておく場所。
1枚ずつでは置くのでは大変。

(何枚から大変かは各自でご判断ください(笑))。

 

そして、もう一つ、横着者の裏技です(笑)。


きものときものの間にタオルをはさみ、

その上に重石という技があります。

 

IMG_8595.jpg

 

 

 

「まさにきもののミルフィーユやぁ〜」(彦麻呂風、古いけど)
その上にたっぷりの生クリーム……じゃなく重石をします。
(この時点でミルフィーユは漬物になります)(^_^;)

 

 

きもの自体も重石にしちゃおう戦略。
袖は左右交互になるように重ねます。

凹凸がきつそうなところは手拭で埋めておきます。


これもオススメ技ですが、いちばんのオススメは、
漬物にするくらいためないことです(^_^;)

 

 

 

 

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2016.11.14 Monday 20:56comments(0)↑ページの先頭へ

17年目にして陽の目を見たレースのコート

今日は取材で「盛装」パーリーへ行ってきました。

正装ではなく盛装ということで、

フォーマルでもカジュアルでもいいのだけれど、

どちらにしてもちょっと大人らしい工夫が必要かな……


ということでの、今日のきもの。



タレものにしようと思いながら、取材で動くことも考えて、

着崩れしにくい紬にしました。



盛装オフ会.jpg









むか〜しむかし、デザイナーズブランドなるものが、

めっちゃ流行った時代がありました。


いまでは、ちょっというのも恥ずかしい

ーヌという某ブランドのソレです(笑)。

紬の熨斗目訪問着に、ひなやさんの袋帯。

変化球で打ち取ろうとする…みたいな盛装です。(意味不明ww)




で、これからが今日の話題です。(前フリ長っww)

今号の月刊アレコレの特集が「薄羽織が旬!」

で、コートも含めた薄物の羽織りものがテーマです。



ということで、誂えてから17年目にして初めて着た

レースのコートの話です。



IMG_5419.JPG




その昔、染めから頼んで作ったコートなのに

仕上りの色がやたら地味になってしまい、

どうしても着る気にならないまま15
年。


(元色の画像がなくてすみませ〜ん)


レース自体は好きなので、なんとか別なものに仕立て直せないかと、

博識でびっくりなアイデアできものを

再生してくれる呉服屋さんに相談しても、

「ま、その色が似合うようになるまで待つんだね」  


えーん( ;) 何かに変えたいのにー。




こうなると意地でもなんとかしたい。

が、結局いちばんオーソドックスな染め替えしかないということに。

はい、一度も着ないまま染め替え〜 (T_T)


気仙沼たかはしきもの工房へ依頼しました。

満点スリップなど和装肌着の専門メーカーで知られるお店ですが、

大元の専門は京染屋さん。つまり悉皆屋さんです。


おしゃれじゃないじみ〜なブルーグレー。

染め替えは抜染(色抜き)をしなければ

元の色より明るい色を染めることはできません。


そこまでコストをかけるのもなあと。

上から色掛けをしてもらいました。


色は女将にお任せしました。

染め替えは抜染がなければ、地域やお店によりますが、

20,000〜30,000円くらいだと思います(ものにもよるので参考程度)


普通は「ドボン(染め)」という、

染液にドボンと浸ける浸け染めです。

このとき、シミやヤケがあるとその部分に色ムラができるので

注意が必要です。




そして上がってきたのはこの赤みにが立った臙脂。

(下の画像は光源の関係でかなり明るくなっています)



IMG_5416.JPG



これなら着られるかもー。

これが一昨年。




もともと羽織のほうが好きでコートを

着ることはあまりなかったのですが、

月刊アレコレの今号の特集が「薄羽織(とコート」。


取材した山村若静紀先生のコートが

素敵だなーと思っていたところに

(このブログの下の記事で美しい画像をアップしています)、

「盛装」がお題のパーリーですって!!??(笑)



苦節17年。やっと陽の目をみたレースのコートなのでした〜。



で、もう一つ。

どうしても、どうしても着られない。

嫌いじゃないのにうまくコーディネートできないとか、

着るタイミングが来ない……

というきものや帯、ありますよね。



普通なら人に譲ったり、ヤフオクに出したりすると思います。

うちも別に豪邸ではありません。

むしろ、普通より狭いという絶対の自信があるほどのうさぎ小屋。


でも私の場合、撮影で使うことがあるので、

ほぼ処分することはありません。私物でも。



なのでモノは増える一方。

であれば、せめてなんとかしてワードローブに加えて、

減価償却したいと思うわけです。


そもそもが片付けられない部類(というか純血種ww)。



で、それまでどうしても着られなかったもの、

イマイチ評価が低かったものが、あるタイミングで

いきなり「王子様〜」になることがあるのです(笑)。



その要素は、自分の年代だったり(カナシイけどw)、

人から似合うと言われた客観的視線だったり、

そのものが実はすごくいいものだよという、

ちょっとヤラシイ囁きだったり(笑)。



といういままでにない評価が外部からもたらされて、

いきなり地味な眼鏡女子が、眼鏡とって髪を解いたら

💗胸きゅんな女子に変身…みたいな、王子みたいな、

ま、少女漫画チックなパターンがあるわけです。ほんと。



このコートもそういうことだったと思います。

収納は、物欲と並行する悩みですよね。

何十年というスパンでモノを保管できるわけではありませんが、

でも、でも。きものは悩むものはとっておいたほうがいいですよ。


私ははっきり言って、近まりさんの断捨離はムリです(笑)。

周辺を身軽にしたくて本を読んだけど、

「魔法」にかからなかったその理由は、

あの本には人のエモーショナルが薄いなあと感じて。

結局はそれがモノが溢れる元凶なのだというのですが。。。。



私はムリ。。。でした。


ま、これはどうでもいい話ですが(笑)、

醜い蛙が、実は王子様だったという物語が、

きものは結構ありますよというオハナシです。


オシマイ    (笑)




「月刊アレコレ」は書店では買えません。こちらからポチッとどうぞ。

創刊11年目で、毎月5日発行! 現在通巻129号。(ガンバってるインディーズW)

A5版32Pのコンパクトなサイズに、着る人目線のきもの情報が詰まっています。

小さいけれど、毎月、丁寧に取材・撮影して、制作。

特集もしっかり組んでおりますよ=ヽ(=´▽`=)ノ

きくちいまさんのイラストエッセイは創刊からの人気連載です。
 

2016.04.10 Sunday 00:55comments(0)↑ページの先頭へ

NHK朝イチ着物特集「訪問着は入卒にNG」についての考察

数日前の「NHK朝イチ」の着物特集、
 
ご覧になったかたも多いと思います。
 
そのなかで、「訪問着は入学式など、
 
学校行事にはふさわしくない」という説明をしていました。
 
その説明に対して、ネット上では多くの見解が繰り広げられました。
 
 
 
ご覧にならなかったかたのために、もう少し説明しますと―
 
主旨は「着物美人になろう」という、
 
着物を愛する人間にとってはとてもうれしく、
 
ありがたいテーマを全国ネットのNHK取り上げてくれたわけです。
 
 
 
まず、カジュアル着物の楽しみ方として、
 
小誌「月刊アレコレ」でもイラストエッセイを連載している、
 
きくちいまさんがコーディネートの手ほどきなどをして、
 
「普段着物は何をどう合わせても自由です」
 
ということをお話していました。
 
 
 
 
その後、スタジオで「きもののレジェンド」として紹介された先生が、
 
着物のルール的なことを説明しました。
 
4体のトルソーに、訪問着、無地、小紋、紬を着せて、
 
それぞれの説明をしていました。
 
まずは、どんなときに着るの?(着ていいの? NGなの?)というところから。
 
 
 
最初に訪問着に対しての説明。
 
クイズ形式の流れのなかで、スタジオのアナウンサーが答えて
 
「訪問着は華やかな席にふさわしいけれど、
 
入学式や卒業式などは子どもが主役なので、
 
お母さんは少し控えめのほうがいいのでは?(だから訪問着はNG)」
 
(正確ではないかもしれませんが、概ねの内容をまとめるとこんな内容でした)
 
 
それに対しての先生の回答は「その通り(正解)です」。
 
学校は教育の場、主役はあくまで子どもたち。
 
なので、そこであまり派手(華やか)な訪問着は場にそぐわない、
 
というような内容を、やわらかい口調で回答なさっていました。
 
 
ではどんな着物がふさわしいのか? となり、
 
 
隣に並んでいた「無地」を指南。
 
無地はとても便利な着物で、入卒やお茶席でも大丈夫と、
 
「1枚目の着物は無地をおすすめします」とおっしゃった。

また「洋服で言えば紬はデニム」という説明もあり、

そこにひっかかったという人もいました。




 

 
 
………私がいうのもナンですが、それはそういう考えとして、いいと思います。
 
私的には“そういう意見もありますね”という捉え方です。
 
で、私の意見は、訪問着OKだと思っています。
 
 
じゃあ、訪問着がNGなら入卒は何を着るの??ということになりますが、
 
それに対しての指南が「無地」だけでは、現状にそぐわないかなぁと。
 
 
では現状とは、どういう状況なんですか? ということですが、
 
むしろ、入卒は訪問着が圧倒的に多いと思います。
 
なぜなら、
 
・いまの人は手持ちの晴れ着は訪問着が多い。
 
(昔のように嫁入り道具として、留袖・訪問着・無地・小紋・紬と
 
一通り揃えるところは少なくなり、晴れ着に絞ると無地より
 
訪問着や付下げを持たせる傾向にあります。
 
また、リサイクルショップで購入する、一枚もっておきたいと思う晴れ着も、
 
無地ではなく訪問着・付下げ選択になることが多い)
 
 
・着物で式に出ようと思う人は、着物に関心が高まっている人が多いので、
 
着る楽しみを考えると訪問着選択になる。
 
(無地が楽しくないと言うわけではありませんが、
 
女性の感性としては訪問着のほうが晴(ハレ)の気分が上がると思います。
 
そういう意味では、確かに子ども中心の考え方ではないかもしれませんが、
 
“着物で列席してあげたい”という発想自体で十分ではないかと思います。ワタシはね)
 
・子どもの入卒に出る母親の多くは年代的に30〜40代。
 
(派手なものを着ようというより、あまり地味にならないようにという発想がはたらく)
 

 
上記は統計があるわけではありませんが、
 
コンパクトサイズながら、11年間、毎月、着る人の現場を取材したり、
 
着る人たちが集まるイベントへ足を運んだりして聞く声や傾向は、
 
間違いなくその方向にあると感じています。



下記は月刊アレコレの読者にコーディネート一式を紹介してもらい、

そのアレンジをスタイリストさんにお願いして着回しを提案するコーナー、

「読者の和ードローブ」で去年の3月に紹介した読者のコーデです。



季節もあり、入学式の着物を紹介しました。

着物が大好きなお母さんで、いつも個性的な普段着物を着ることが多いとのことで、

人生初訪問着は子どものため、リサイクルショップで購入したそうです。

これって、“現状”です。





 
 
番組として、ほんとうの初心者、

もしくはこれから着物を着てみたいという人に向けての
解説を、
 
短い時間のなかで、迷わないように、

わかりやすく伝えた結果だったかもしれません……。

 
 

 
今回この話題を取り上げたのは、別に番組を非難しようとか、
 
訪問着NG発言を否定しようとかいうことではありません。
 
この番組を観て「着物を着たくなった」「きものを久しぶりに着た」と
 
いう人もいましたから、取り上げてもらう意義は大いにあったと思います。
 
 

しかし、この番組を見て入卒の春を前に、それで大いに迷う着物ファンが
 
周囲にいたのも事実です。
 
 
 
なので、私のような、こういう考え方をする人間もいる、
 
こういう捉え方もある、という別な振り幅も知ってほしかったので、
 
このブログを書きました。
 
 
 
考え方・伝え方も人それぞれですから、何が悪いということではありませんが、
 
時代感は変わるので、そういう意見もあるけど、私はこう思う。
 
もしくは、最近はこういう傾向にあるということも伝えなければ、と思っています。
 
NHKで紹介する「ルール」は、「絶対」のルールとして受け止められると思うので、
 
焦点の絞り方、振り幅をどのあたりまでとするか、難しいところだと思います。
 
 
 
ここ何十年来のルール(と思われてきた習慣)を軸に、
 
左右の振り幅を示して、自分の考え方はそこからやや左よりであるとか、
 
右よりのこの辺りだというように説明してあげれば、全体像が見えます。
 
そこで、自分なりの判断がしやすくなるのではないでしょうかーと、
 
思うのです。
 
そのためには自分の情報が、常に更新されていなければと思います。
 
 
 
関連してーーすみません、また長くなりますが(^_^;)

「いまは留袖は、夏でも袷でOK
なのよ」と

 
教える着付け講師のかたがいます。
 
昔と違って、絽の留袖まで持っている人が少なく、
 
また、レンタルするにしても、新郎新婦の親が袷なのに
 
参列者が絽を着て出席するというのも気が引ける……等々。
 
またホテルは空調が効いているから袷でも大丈夫…等々
 
そういう事情で“やむなく”袷でも…という流れにはなってきています。
 
これがずっと続くと、確かに絽の留袖を着る人がいなくなり、
 
作っても売れない。50年後100年後くらいには留袖は商品的に袷だけになり、
 
ひとつの故実として定着する可能性もないとは言い切れません。
 
昔は留袖も絽を着ていたときがあったらしいよ、みたいな(苦笑)。
 
 
にしても、です。いまでも、絽を着る人は着ているので、
 
そこは教える立場として単焦点ではなく、
 
広く焦点を合わせてほしいなと思います。
 
 
かつてのように親が教えられる時代ではありません。
 
育つ過程で自然に見て覚えるという環境でもありません。
 
 
着る人と直接対面する着付けの先生や、呉服屋さん、販売をする人が
 
いまは “伝える”人だと思っています。
 
 
なんか、すごい偉そうなこと言っているみたいになりましたが(^_^;)
 
これは先の訪問着NGとは別件での、
 
常々私が感じていること、考えていることです。
 
今日も長々となりすみません。
 
 
ここまで読んで下さってありがとうございます。m(__)m



こんな編集人がつくる「月刊アレコレ」は

書店では売っていませんので、定期購読を大いにおすすめします(笑)。

お申し込みはこちらから。

 
 

2016.01.09 Saturday 14:42comments(0)↑ページの先頭へ

「謎のきもの=お宝きもの」のハナシ

6月になります。とっくに単衣を着ていますが、
今日はお宝きもの。今季初です。なぜ、お宝か?
それはですね。。。。いくらでも語りたいのですが、かたると譲ってくれた友人がくやしがるので(笑)、
前にアップした記事を再投稿します。

これを着ていると、ちょっときものに詳しい人は必ず、
「(素材は)これ、なーに?」 と聞かれます。

このきものを着たときは聞いて欲しくてウズウズしてますので(笑)、
聞いた人はここぞとばかり餌食になります(笑)。
でもいまでも、素材は分かったけど産地がわからない。
誰か、わかる方がいたらおしえてくださいませ。
というわけで、以下、以前の『謎のきもの、謎解きブログ」です。

==================

 

何が謎か――それは、このきものの素材です。

先に結論を言えば、これの素材が何かは解明いたしました。

でも、昔あって、いまはない素材、織り、技法のものは、それが何か判別できない時があります。

素材は、絹、ウール、木綿、麻、化繊くらいはわかるでしょ、と、思いますよね!? 

チッチッ( ̄▽ ̄)b これが違うんだなあw

それさえもわからないことがあります。

 

その主な理由は、かつては交織が多く、何と何の素材の交織なのかがわからないとか、

また、今はない織りの技術で、現代のある程度決まりきっている素材や織り方や染色法からすれば、“〜らしくない”織物が少なくないのです。

つまり、紬らしくないとか、絹らしくないとか、木綿らしくないとか、麻らしくないとか――。

     

      

このきものも、その“〜らしくない”素材でした。

とてもお世話になっているきもの好きな友人が、寸法が合わないのでと、送ってくれました。

「でも素材がはっきりしないのよね〜」

「手触りがつるっとしていて、化繊かなあ〜とも最初思ったけど、着心地は悪くないの」

「意外に光沢もあるけど、衿裏が木綿だから、絹ではないのよね、絹交織かなあ」

「麻か、麻混かもしれない」

「“三越”ってタグが縫い付けられているの」

 

      

とすれば。

まず、三越でわざわざポリを仕立てるとは思いにくい。化繊説、却下。

絹? に、三越が木綿の衿裏を付けるわけがない。

麻? だとしたら、絽の衿裏になるよね。

麻混とか。

 

もう一度、件の生地を見ると。

着ていて静電気は起きないし、通気性はいい。

シボが立っていて、さらりとした着心地。かなり撚りの強い糸で織ってあると思われる。

光沢と落ち感がある。

シボと、光沢と、ちょっと解せないけど木綿の衿裏ということで、麻説が有力となったところへ、素材に詳しい女将に見てもらう機会がありました。

 

      

「これ、木綿だよ」 !!! も、も、もめん??

 

でも、そうすると全てつじつまが合う。

「着心地が悪くない」

「通気性もいい」

「衿裏が木綿」

なるほどーーーーー。

でも、でも、いまこんな木綿って見たことないし、そもそもこんなに撚りの強い糸を使った、シボの立った木綿てあるの?というくらいの謎の木綿です。

織り出した柄も凝っているし。しかも、木綿と思えない光沢と落ち感、

強撚糸(を使っているからだと思いますが)だから、落ち感があるのです。膝が出ない。

 

その女将が言うには、「昔の久留米絣がこんな感じなのよね、いまは殆んどないけど」

「私もたまたま、最近、そういう久留米を見たことがあって、だからこれも木綿ってわかったの」

 

なるほどー。で、結論が木綿、だったのです。

 

きものって、なまじ伝統がある産業だけに、品質表示や縫製・洗濯表示なんて、つけろとも言われない(昨今は一部では必要だとの声もありますが)。

アパレルでは考えられないことです。だって法規制があるのですから。

きものって、何もない。何もわからない。

“本場”の証紙などが残っていればまだしも、リサイクルやお祖母ちゃんが残してくれた昔のものは何がなんだか、分からない。

でも、ちょっとしたことを手がかりに、つまり、衿の裏の生地だとか、三越のタグだとか、着心地だとか、手触りだとか、五感を頼りに解明されたときは、記憶喪失だった恋人の記憶がやっと戻ったみたいな(笑)気分です。

冬のソナタか、花より男子の世界です(笑)←かなり古い(^_^;)

 

というわけで、素材が解明されたきものを、気持よく単衣の季節に着ています。

ただ素材がはっきりしたというだけで、どこの産地の、何織りなのかもわからないままです。

でも、当時(多分戦後まもなくくらい?)、太物をデパートに頼むことって、あまりないことのような気がします。

太物屋(木綿、ウール、麻などは巻くと絹より太くなるから)という、絹物を扱う呉服屋とは一線を画した呼び方をしていました。

それが三越で購入して三越で仕立てた。フンフン♪  

もらったけど、もしや、すごいお宝ではないかと密かに思っています♪

因みに、「木綿だよ」とあっさり解明してくれた女将は、満点スリップの気仙沼たかはしの女将です^^

 

 

 

2015.05.31 Sunday 12:52comments(0)↑ページの先頭へ

きもの、季節のセオリーをどう着こなすか。

大分涼しくなりましたね。
さすがに目には夏物が浮いてきます。
じゃあ単衣かというと、動くと案の定暑い(笑)。見た目と実感のギャップに悩ましい日々です。

この悩ましさをクリアできるのは、結局「着ている人の実感と経験値」しかないと最近思います。
要は普段着なら好き勝手でいいんだけど、周囲の目に動じない経験値が意外とカギ、かなと思うのです。

以前、きもの歴が浅い方から「男物の羽織をコート代わりに着たらおかしいでしょうか?」と聞かれたことがあります。
実際、男物の羽織を着ている人も知っています。しかし、彼女に言ったのは
「普段着で、いまどき感覚として着るのはひとつの工夫としておもしろいと思います」
「でも肝要なのは、人から間違ってるとか、ものを知らないとかいう目で見られたときや指摘されたときに、自信を持っていられるかということです」
「◯◯さんは呉服屋さんの奥さん、という立場であるということと、もうひとつは、(呉服屋さん)だけど、きもの歴はまだ浅いことを考えると、ダメというより、いまはまだ“早い”かもしれません」と答えました。
 
私が知っている、男物の羽織を着ている人は皆、とても個性的で
すでに自分のスタイルを持っている人達です。
きもの暦の長さとはちょっと違うけど、自分のスタイルを確立できる経験値があるということです。

だから、よく言われる「基本を知って崩す」は一理あり。
「基本を知らずに崩ずしている(崩れている)」とは明らかに違います。
それがたまたま同じ“男物の羽織”を着ていても、雰囲気でその人のスタイルになっているかいないかってわかります。

 
この時季にこれはおかしい? まだ早い? と考えることは私もありますが、
結局断念するも決行するも(笑)、自分の感覚です。
普段着は「自分が着たいものを着ればいい」、と芯から思えたら着ていいんですよ。


写真は月刊アレコレの人気コーナー「読者の和ードローブ」から。
このコーナーは読者のコーディネート一式をお借りして紹介。
その同じきものを使って、スタイリストさんやショップオーナーさんたちに
アレンジコーディネートをしていただき並べてみていただくコーナーです。
今月はシンプル木綿の読者コーデをワタクシみやざが担当しました。

半衿は池田重子さんオリジナル半衿で、30年近く前の商品。
いまではお宝の刺繍半衿です。
この半衿と帯のオレンジを今回の「軸色」にしました。
私は木綿の単衣はこの時季から11月まで着ます。

月刊アレコレは書店では売っていません。
年間購読はこちらからポチッと。




 

2014.09.23 Tuesday 09:08comments(0)↑ページの先頭へ

素材の謎と物語。

 着物の好きなところは、物語があるところです。

 

祖母が若い頃に着ていたとか、

母が小学校の入学式のときに着ていたきものとか、

お嫁入りのときに親が頑張って作ってくれたとか。

 

洋服でももちろん、いついつ着ていたという事実や記憶はあると思います。

でも着物の記憶って、校庭の大きな木の根元に埋めたタイムカプセルのような、

こみ上げる懐かしさと、思い出したときのキュンとした記憶が独特だなあと思います。

 

一昨日、やっと素材がわかった着物の話をしましたが、

すごく気になっている別な1枚がまだあります。

 

夏物です。麻です。織の縞柄です。

……が、が。地紋が入っているのです。

丸と四角とか市松とかいうようなパターン柄ではなく、画像ではちょっとわかりにくいですが、ススキのような植物の繊細な柄なのです。

縞の下にそのススキの地紋がほんのり見える……これって、どういう織り方でこうなるの?と思うのです。

 



この着物は、骨董屋さんで見つけました。

それも着物のリサイクルショップやアンティークショップではありません。

いわゆる、口の悪い人に言わせると“がらくた”(と素人にはみえるもの)を扱っているお店です。

“がらくた”は、陶器、書画、アクセサリー、人形、置物など。

そういう中で、針金のハンガーにぶら下げられて、

私から見ると、まるで晒し者のようにポリ帯やポリの七五三の被布などと一緒に店の外で埃にまみれて揺れていた品物でした。

通りかかったときに目に止まり、手にとって「麻だ」と思いました。でも縮じゃない。

見るからに寸法も小さい。だからこそ、かなり昔のものだなと思われました。

 

ちょっと埃っぽく、知らない人が見たらその麻独特のつるりとした手触りがポリに感じるかもしれません。

ちょっと女中さんっぽい縞。居敷当てもついてない。

背伏せの処理もちょっと素人っぽい、というか、本当に住み込みの若いねえやが、自分で不器用に縫ったのかもしれな(い――この辺りが、着物が持つ物語力です^^;妄想がたのしい)

生地はまだ“生気”があります。

レジに持って行、値札に付いていた500円を払って持ち帰りました。

家で洗ってから着たのですが、2回めに着たときに、座った途端お尻の生地がピッ。

糸が弱っていたんですね。でもそこが手縫いのいいところです。

生地が破ける前に糸が切れるように縫われているのですから。

これがミシン縫いなら、布が裂けているでしょう。

 

自他共に認める、ノーベル賞ものの不器用オンナですのでww(着物を着てる人が、皆手先が器用で、半衿、ほころびや寸法直しをスイスイとできると思わないでください^^;)

お友達に直してもらいました。

 



私の元に来てから67年は経つでしょうか。

縫い糸が弱くなってきているのでずっと着ていません。

着心地はいいのです。でも何より、この織りが気になって気になってしょうがないのです。

これも、いつか、解明したい思っている、眠れる宝物です。

下の画像は夏銘仙。透け感がしっかりある織物ですが、多分いまで言うB反だと思います。

織り傷がかなり大きく走っています。着ている分にはわかりにくいかもしれませんが。

これも、中流階級か、それ以下の暮らしをしていた女性が着ていたと思われます。


銘仙が流行った大きな理由は、廉価で買える絹物だったからです。

戦前から戦後すぐくらいまでは、一般庶民が持つ着物は、ある意味一張羅。

晴れ着でしたが、それが洒落着として手が届く絹物で、しかも柄も創意工夫がなされ、空前の大ヒットとなったのです。それだけ出回ったからこそ、いまにも残るものあるワケです。

抗菌クリーニングされて店先に出ていたものを購入、袖丈だけ直しました。

長い袖丈から若いお嬢さんが着たんだなとわかります。

この蚊取り線香みたいなグルグルが、私のとってツボでした^^

ただ、糸が良くないので、絹ですが紙のようにゴワゴワ。

素材がカラダに寄り添う感覚とは間逆なきものです。

でも手放さない^^ だって好きな柄なんだもーん♪


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2013.06.16 Sunday 19:25comments(0)↑ページの先頭へ

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